旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2017年3月17日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

香港の誇り  ザ・ペニンシュラ香港

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周囲を圧倒する堂々たる風格

ザ・ペニンシュラ香港の開業は1928年。香港で最も長い歴史を持ち、香港にとどまらず、アジアを代表するラグジュアリーホテルの一つとして誰もが知る憧れの5つ星ホテルです。
東洋の貴婦人と称され、常にその優雅な姿を写真におさめようとする観光客で溢れています。
また世界で初めてロールスロイスを導入しての送迎サービスを始めたのも、ここザ・ペニンシュラ香港。ザ・ペニンシュラホテルズは、ロールスロイス社と40年以上にもわたりパートナーシップを組んでいます。

記念日の特別な送迎サービス

思い出に残る特別な日にするために、ロールスロイスでの送迎をお願いしてみては如何ですか。香港への到着後すぐに他のホテルでは決して味わうことのできないラグジュアリーさに出合うことができます。

香港国際空港に到着しボーディングブリッジを出た途端、ネームカードを掲げた空港担当スタッフによる出迎えがあります。当然到着ロビーで出迎えてくれるものと思っていると意表を突かれます。空港担当スタッフは、イミグレーションの通過やスーツケースの受取りまでをアテンド。
その後、ザ・ペニンシュラ香港のスタッフにバトンタッチされます。「リムジンラウンジ」という専用の乗場へ案内され、そこには専属の運転手と深いグリーンのロールスロイス ファントムが待ち構えています。ペニンシュラグリーンと呼ばれるオリジナルカラーに包まれたロールスロイスは、全てペニンシュラ仕様にカスタマイズされています。

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ペニンシュラグリーンのロールスロイス ファントム

特別仕様の総革張りの車内には、USBポートがあり、無料のWi-Fiも。足を伸ばしても前席に届かないほどゆったりしているのはもちろん、後部座席のクーラーボックスには、ミネラルウォーターと冷たいおしぼりが用意されており、ホッと一息つけるようになっています。
いうまでもなく、香港でタクシーに乗る時に感じるヒヤヒヤするような危険な運転とは真逆の、非常に優雅で滑るような乗り心地です。

ザ・ペニンシュラ香港のエントランスに到着すると、スタッフの出迎えがあります。
一歩ロビーに足を踏み入れると、そこに広がるのは、アフタヌーンティーであまりにも有名な「ザ・ロビー」。格式のあるコロニアル調の優雅な雰囲気の中、あたかも映画の主人公になって特別な空間に入ってしまったかのような圧倒的な存在感を感じることができます。

「ザ・ロビー」とホテルの守り神 「Fu Dog」zoom
「ザ・ロビー」とホテルの守り神 「Fu Dog」

部屋でのチェックイン

ロールスロイスで送迎のゲストは、フロントには寄らずに直接部屋に案内されます。
今回滞在した、タワー棟に位置するグランドデラックスハーバービュールームのドアを開けると、そこにはヴィクトリアハーバーや香港島のパノラマの広がる素晴らしい眺望が。部屋には果肉たっぷりのフレッシュジュースが用意されており、くつろぎながら部屋でチェックインできます。その後は室内設備についての詳しい説明があります。ひとつひとつ丁寧に説明してくれるのは、せっかくの設備をフルに使って、部屋で過ごすくつろぎの時間を満喫して欲しいとの思いからだそうです。

ザ・ペニンシュラ香港といえば、伝統と格式の古き良き時代のホテルというイメージですが、リニューアル後の部屋の中は、5つ星ホテルの中でもトップクラスのハイテクさで、これにはいい意味で全く予想を裏切られます。
全ての照明、カーテン、室温等をコントロールできる11言語対応のタブレットが導入されています。ホテル内の施設やレストラン、ウェザーニュース、周辺の観光案内まで、ホテルライフを快適に過ごせる情報も満載の多機能なタブレットですが、特筆すべきは香港国際空港発着便のフライトスケジュールまで入っており、現在の遅延状況なども見られるようになっていることです。気になった時すぐに確認できるので安心です。
テレビ番組や音楽の視聴に加え、映画の鑑賞操作もこのタブレットで行え、伝統と格式を残しながらも全ての操作がこれひとつで行える最先端の部屋へと生まれ変わっていました。

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ページボーイのチョコレートが迎えてくれました

ウェルカムティーのポットに入ったジャスミンティーと、ペニンシュラのアイコン的存在であるページボーイのチョコレートのサービスで、ゆったりと素敵なティータイムを過ごしました。
 

ローマ様式の豪華なプール

プールは宿泊者と一部のスパトリートメントパッケージを受けるゲスト、ヘルスクラブ会員以外は立ち入ることができません。また他のゲストがいれば写真を撮ることさえ不可になっており、それだけに安心してゆっくり利用することができます。
ローマ様式の重厚感のある広々としたプールの正面には大きな窓があり、明るく開放的な空間になっています。夜にはライトアップされ、非常にラグジュアリーな雰囲気にも。テラスもあり、デッキチェアに寝転んで目の前に広がる香港島の摩天楼を心ゆくまで眺めることができます。
ひとつ下の階には、水着でそのまま行けるジャグジーやサウナ、人気のスパもありますので、一日中ゆっくりとくつろぐ、贅沢な時間を満喫できます。

まさに極上の空間 zoom
まさに極上の空間 

ターンダウンサービス

夕方戻ると、部屋はターンダウンサービスが行われていました。
ターンダウンサービスは、ベッドカバーを外すなど寝るための準備をしてくれる、主に高級ホテルなどで行われるサービスです。
ライトが絞られ、ベッドサイドにはマットが敷かれ、更にラグジュアリーさが感じられる空間へと変わっていました。サイドデスクにはグラスとミネラルウォーター、メインテーブルにはセロリが添えられたフレッシュ野菜ジュースの用意まで。”ペニンシュラ・ホスピタリティ”の感じられる素敵なサービスでした。

大理石をふんだんに使ったバスルーム

バスルームにはシンクが2台、シャワーブースとバスタブも別になっています。ゆったりとした大理石のバスタブの横には、照明や音楽などのコントロールパネル。電話やテレビスクリーンもあり、電話がかかると自動でテレビが消音になる機能もついています。ついつい長時間過ごしてしまいそうです。

部屋には窓に向かって置かれたカウチソファがあり、バスローブのまま横になって見るシンフォニー・オブ・ライツは最高に贅沢な時間になります。 

アメニティはアメリカのラグジュアリーブランド オスカー・デ・ラ・レンタとのコラボレーションアイテムzoom
アメニティはアメリカのラグジュアリーブランド オスカー・デ・ラ・レンタとのコラボレーションアイテム

各部屋にはペニンシュラ独自のバレットボックスがあり、ボタンひとつで顔を合わさずに靴磨き、ランドリー、新聞サービスなどをお願いすることができます。ゲストの快適さを追求したサービスです。

観光客も多く訪れるザ・ペニンシュラ香港ですが、カードキーがなければエレベーターが動かず客室階へアクセスできないなど、セキュリティーとプライバシーの確保のために、宿泊客以外が入場できるエリアはきちんと制限されています。

一度は経験してみたい究極のヘリコプター送迎

最後にご紹介するのは、何よりも快適でラグジュアリー、そしてプライベート空間を満喫できるヘリコプター送迎です。
香港国際空港から15分で到着し、屋上のヘリポートから専用ラウンジを通って直接部屋にアクセスできるサービス。
ヘリコプター専用ラウンジ「ザ・チャイナクリッパー」は30階にあります。
パンアメリカン航空黎明期のサンフランシスコ-香港間を結ぶ、定期航空サービスに使われていた機体の愛称がこの名前。博物館と言ってもいい程の貴重な展示物に目を奪われます。ヘリコプター送迎は片道22,500香港ドル。日本円にして約32万円。なかなか手が出そうにありませんが、定期的に利用するゲストもいらっしゃるそうです。

ロールスロイスでの空港送迎の後、フライトのチェックインを終え、保安検査場に入るまで、ザ・ペニンシュラ香港のスタッフがしっかりエスコートしてくれます。最後まで存分にペニンシュラ・ホスピタリティーを感じることができました。  

アフタヌーンティーやザ・ペニンシュラブティックでの買い物などで訪れたことのある人は多いと思いますが、ここザ・ペニンシュラ香港は、ロケーションはもちろん、ホスピタリティ、セキュリティ、ファシリティどれを取ってみても実際に宿泊して初めて、その本当の素晴らしさが分かる最上級のホテルです。

何よりも、ゲストに嬉しいサプライズを提供し続ける姿勢こそが、ペニンシュラブランドの矜持であると納得できる滞在になりました。


ザ・ペニンシュラ香港 ホームページ
⇒ http://hongkong.peninsula.com/ja/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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