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  • 2017年1月14日更新
リスヴェル編集部トピックス
Editor:リスヴェル編集部

パラオの大自然と神秘的な伝説に触れる

緑豊かな自然の中に大きな石!? パラオに存在しない石がどこから来たのかzoom
緑豊かな自然の中に大きな石!? パラオに存在しない石がどこから来たのか
パラオは、自然の豊かさだけでなく、紀元前3100年から約2500年間にわたって人が住んでいた形跡があり、洞窟や岩絵、遺跡や墓などの生活の痕跡が残っている。謎の遺跡「ケズ」や木材に伝説や神話のシーンを彫った芸術性の高いストーリーボードなど、パラオには数多くの神秘的な遺跡や伝説があり、歴史的・文化的側面からパラオを覗いてみるのも興味深い。
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歴史のロマンに触れるストーンモノリスの伝説
パラオで一番大きな島バベルダオブ島には10の州があり、最北端のアルコロン州にはパラオのミステリーのひとつ「バドルルアウ遺跡」がある。宿泊したパラオ・パシフィック・リゾートから車で約1時間、高台に登っていくため車窓からは亜熱帯雨林やマングローブの木々や遠くに美しい海を臨む。到着した駐車場からトレイルのような道を下ること約5分、ぽっかりとした空間の草地に形の異なる石碑のような一群「ストーンモノリス」が見えてきた。玄武岩の岩に人の顔らしきものを彫った形跡があるが、誰が何のために、そしていつ作ったのかも判明していない。
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ストーンモノリスの伝説の絵 熱帯植物 お弁当(美味しかった!)
ストーンモノリスには伝説が残されている。ロックアイランドツアーカンパニーの資料によると物語はこうだ。「約2000年前、神様は7人の妖精に、天から降りてパラオの未来について話し合うのに相応しい場所を見つけ、集会所(アバイ)を造るように命じた。一晩でアバイを完成させるため7人の妖精は分担して作業を行っていたが、1人の妖精の作業が遅れていた。この妖精は、このままでは怠けていたことが他の妖精に知られてしまうと思い、ココナッツの皮を魔法でニワトリに変え、“コケコッコー”と鳴かせた。ニワトリの声を聞いた他の妖精は朝が来たと勘違いし、このままでは神様に怒られると思い、作業を中断してその場から立ち去ってしまった」という言い伝えが残されている。妖精たちが立ち去る前に石に自分の顔を彫り、守り神として造りかけのアバイの周りに残していったのがストーンフェイス。パラオの人たちは、いつの日か妖精たちが戻ってきてアバイを完成させてくれると今でも信じている。怠け者の妖精はどうしたかと言うと、天に帰れず今でもパラオのどこかにいると言われている。

ロックアイランドツアーカンパニー
パラオの大自然と遺跡などを巡る「ガラスマオの滝&ストーンモノリス探訪ツアー」
http://palauritc.com/recommend/222/

パラオというとダイビングのイメージがあるが、亜熱帯雨林の自然が豊かなこともあり、多くの美しい植物を見ることができる。
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ロングビーチ(写真提供:ベラウツアー)
バベルダオブ島の北端にある海洋自然保護区のエビールチャンネルが観光客に開放されたのは最近の事。抜群の透明度と手付かずの珊瑚礁や海の生物をシュノーケルで楽しむ事ができる。この近くにはパラオ最大のガラロン・ロングビーチがある。干潮時に現れる真っ白な砂浜のビーチで、パラオきってのフォトジェニックな場所になること間違いなし。

ロックアイランドツアーカンパニー「ガラロンツアー」
http://palauritc.com/recommend/624/
ロングビーチの伝説の樹zoom
ロングビーチの伝説の樹
バベルダオブ島の北にある小島ゲレウールとガーケックラウの間の砂州に、たった1本だけの有名な「伝説の樹」がある。ガーケックラウ島の先端にポツンと立つ1本の木が大海原を見守り続けている。満潮時には根が完全に海中に浸っていても生きていることからマングローブの一種と確認できる。

この木の種類は「ニリスホウガン」で、パラオでもこれまで2本しか確認できていない奇跡の木(もう1本は南のゲメリス島にある)。地元の長老の話によると、60年前頃からあり、幸福をもたらす木と言われている。通常は30メートルを超える大きな木だが、厳しい環境にあるため大きく育つことが困難ということらしい。しかし厳しい環境でも耐えて生い茂っている姿は美しい。

また一方でこの伝説の樹は、パラオの日照時間を長くしてくれた神話と関係があると言われており、触れてはいけないし、触れたいと思ってもいけない、と思っている地元の人たちもいるそうだ。伝説の樹に触れてしまうと、日照時間が短くなってしまうかもしれないと今も信じているからだ。
パラオの神話を現代に伝えるストーリーボードzoom
パラオの神話を現代に伝えるストーリーボード
パラオには、硬い木材にパラオの伝説や神話のシーンを彫り込んだ「ストーリーボード」がある。その芸術性はとても高く、お土産としても人気を博している。パラオに古くから伝わる伝統的な技法で彫られているのかと思うが、その歴史は浅く、ストーリーボードの考案者はなんと日本人の美術教師だったというからますます興味が湧いてくる。

ストーリーボードの考案者は、1929年から3年間、コロール国立学校の美術教師として赴任した土方久功さんという人物。彼はパラオの芸術様式に感銘を受け、伝統を次の世代に受け渡す場所であり、パラオの人たちの集会場の「バイ」の梁や切り妻に施された伝統的な装飾を小さなボードに彫り、後世に伝え残すことを提案した。それが今日のストーリーボードの原案になったそうだ。(参照:地球の歩き方リゾート「パラオ」)

取材協力:
デルタ航空 delta.com
ベラウツアー http://www.belautour.com
ロックアイランドツアーカンパニー http://palauritc.com
パラオ・パシフィック・リゾート https://www.palauppr.com/jp
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