旅の扉
- 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
- 2017年1月6日更新
- よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子
「国境なきダイニング」とは? イギリス・バースで出合ったカリスマシェフの味
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- テイスティングメニューの肉料理、鴨のコンフィは甘酸っぱいプラムのソースで。トッピングのスプリングロールがユニークです。
- イギリスで唯一の天然温泉付きスパホテル『The Gainsborough Bath Spa(ザ・ゲインズボロー・バース・スパ)』。その魅力は、源泉からお湯を引いたスパ施設だけではありません。地元の農産物を利用した斬新な料理でも高い評価を受けています。
「イギリスは食事が今ひとつ…」という声も少なくありませんが、もともとは牛、ラム、鶏肉や乳製品、野菜が豊富にとれる土地柄。食材が豊富なうえ、近年ではヨーロッパ各地から有名シェフを招へいするなど、食のレベルは格段にアップしていると、ツーリストの間でも評判になっているのです。
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- 壁面いっぱいに並ぶワインが見事なレストラン。セラーの向こうはセミプライベートルームになっています。
- ここ、ゲインズボローでもドイツのミシュラン星獲得シェフ、ヨハン・ラーファー氏をパートナーに迎え、彼が提唱する「国境なきダイニング」の哲学にのっとった斬新な料理を提供しています。ラーファー氏がドイツ国外のレストラン・メニューをプロデュースするのは初めてのこと。国際デビューともいえる料理をメインダイニングの『ザ・ゲインズボロー・レストラン』で味わうことができます。
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- この5皿に、ワイルドマッシュルームのリゾットが加わります。
- さて、ヨハン・ラーファー氏が提唱する「国境なきダイニング」とは?
そのコンセプトを余すことなく味わえるのが、旬の食材を使った『6 Couese Tasting Manue』。一皿ずつのボリュームを抑えたコース仕立てなので、アラカルトでひと品ずつ選ぶ必要がなく、日本人にもちょうどいいボリュームです。
柑橘系ソースに「ユズ」が取り入れられていたり(日本の柚子とは、酸味と香りが少々違いますが)、日本でおなじみのエリンギ、シーアスパラも登場。メインの鴨料理のトッピングにはスプリングロール、つまり春巻きが添えられていました。肉➡魚介➡肉と続くコース構成も独創的。味覚とともに、視覚でも存分に楽しませてくれます。
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- 朝食は、通りを眺められる窓際の小テーブルがおすすめです。
- このレストランには通りから直接入店できる入り口があり、宿泊客でなくとも気軽に利用できます。訪れたのが昨年のクリスマスシーズンだったこともあり、ホテルの外からやってきたカップルやグループのゲストがゆっくり時間をかけてディナーを楽しむ姿が見られました。
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- ビュッフェのほか、アラカルト料理が豊富な朝食。連泊しても飽きることはありません。
- 朝食メニューもバラエティ豊か。生ハムやチーズ、フルーツといった冷製メニューが豊富なビュッフェ、卵料理に焼きトマト、ブラックプディング(ブラッドソーセージ)、マッシュルームを添えた伝統的なイングリッシュ・ブレックファストをはじめ、スモークサーモン、エッグベネディクト、フレンチトーストなどのアラカルトメニューも選べます。毎朝、「今朝は何を食べようかしら?」と思いを巡らしながら、ダイニングへ向かうのが楽しみになるほどでした。
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- 食前やディナー後のカクテルタイムに利用したいゲインズボロー・バー。
- リビング・ルームのようにくつろいだ雰囲気で過ごせる「キャンバス・ルーム」のアフタヌーンティー、そして夕刻のひとときやディナーの後にぜひ立ち寄りたいのが「ゲインズボロー・バー」。シャンパン、ワイン、地元のビールなどのコレクションのほか、好みに合わせてカクテルも作ってくれ、窓から見下すスパの眺めもなかなかのもの。
ゲインズボローでは、スパでのリラクゼーションに加え、朝食、ティータイム、ディナーにカクテルタイムと、一日中楽しみは尽きません。
●The Gainsborough Bath Spa(ザ・ゲインズボロー・バース・スパ)
Beau Street, Bath, UK
TEL +44(0)1225 358 888
www.thegainsboroughbathspa.co.uk
【協力】
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド日本支社
TEL 0120-086-230
www.LHW.com