旅の扉

  • 【連載コラム】【厳選旅情報】編集部がみつけた、旅をちょっぴり豊かにするヒント
  • 2014年6月13日更新
リスヴェル旅コラム
Editor:リスヴェル編集部

鉄道の旅の最高峰 ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス

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オリエント・エクスプレス。鉄道好きでなくてもその名前は知っていることだろう。おそらく世界で最も有名な寝台列車だ。その歴史は1883年にまで遡る。
開業時は、パリ=コンスタンティノープル(イスタンブール)を3日間かけて走行した。当初はコンスタンティノープルまで鉄道が通じておらず、ブルガリアのジョルジュからは船舶に乗り継いでの移動。しかし、これをきっかけに、西ヨーロッパとバルカン半島を結ぶ国際寝台列車が次々に運行され、その列車の総称を「オリエント急行」が呼ばれるようになった。

華麗な列車、質の高いサービス、そしてヨーロッパとアジアを結ぶという壮大な旅へのロマンが詰まった当時のオリエント急行は絶大な人気を集めたが、もちろん乗車運賃も相当なもの。利用できるのは王侯貴族や一部の富豪に限られたという。
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2つの大きな対戦を経て、運行が途切れていたオリエント急行だが、その復活は1945年11月と驚くほど早い。ただし、物資や資金面などの問題から、座席や簡易寝台車を含む構成で、栄華を極めた1920年代の華やかさには到底およばなかったのが実情だ。また、東西冷戦の影響もあり、国境駅では煩雑な検問が繰り返され、列車はたびたび大幅に遅れが生じたという。

1960年代に入ると、モータリゼーション化により、寝台列車の需要はさらに低下。寝台列車は次々に運行を中止し、ついに1977年、パリとイスタンブルを結ぶ寝台列車は消滅した。
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しかし、一時人々の憧れの的であった国際寝台列車の復活を望む声は高く、1982年、ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスが観光列車として復活。ロンドン−ヴェニス間で運行を開始した。最初の列車には、女優のライザ・ミネリが乗車したことでも有名だ。

復活したベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスは、飛行機などの高速移動手段に対抗するため、あえてサービスと雰囲気を重視し、時間をかけて愉しむ旅を提案。古き良き時代の、列車の旅を愛する人々に絶大な支持を得た。
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ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスは特別な存在だ。各キャビンは細部まで完璧に再現され、当時の雰囲気を漂わせる。キャビンは、ダブル・キャビンとキャビン・スイートの二種類。いずれも洗面台とハンガー、スリッパなどのアメニティ、そして24時間いつでも呼び出し可能なルームサービスなどがあり、優雅なひとときが約束されている。
この列車に乗るために、世界各国から旅人が訪れるのだ。
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ディナータイムはこの列車のハイライトだ。各国から訪れたゲストは、ディナードレスに身を包み、食堂車は、さながら晩餐会のよう。食後、バー・カーでブランデーを傾ければ、適度な酔いも手伝って、誰もが物語の主人公のように、自らの旅を語り出す。ここでは皆が、特別な存在になれるのだ。
あなたも、自分の物語を紡ぐため、寝台列車の旅にでかけてみてはいかがだろうか。
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Editor:リスヴェル編集部
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