羽田発でシアトルへ!Vol.6 ワインと地ビールの街シアトル(ワイナリー編)
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ワシントン州はカリフォルニア州に次いでワインの生産が盛ん
さて、ワインの話に移りましょう。カリフォルニアのワインは日本でも有名ですが、全米二位の生産量を誇るのがこのワシントン州。ワシントン州にはコロンビアヴァレーやワラワラヴァレー、レッドマウンテンなどのいくつかの地域でブドウが栽培されており、シアトル一帯はピュージェット湾エリアとなります。ワシントン州で栽培される代表的なブドウは、白ワイン用のシャルドネ、リースリングなど、赤ワイン用では、メルロー、カベルネソーヴィニヨン、シラーなどが代表的。その他、ヴィオニエやピノグリ、ジンファンデルなども生産されています。シアトルからも近く、先ほど紹介したレッドフックブルワリーがあるウッディンビルは、近年急速に発展してきたワイナリー密集地帯のひとつ。かつては、「コロンビアワイナリー」と「シャトーサンミッシェル」の2つの比較的大型のワイナリーだけでしたが、ここ10年ほどで急速にワイナリーが増え、現在では大小含め50ほどのワイナリーがあります。
地ビールブルワリーと同じく、シアトル近郊では決して多くはない資本を元に、まずはできる範囲で小さなワイナリーでワイナリーをオープンする情熱を持った個人の醸造家が夢を抱いてこの地で次々にすばらしいワインを生産をはじめているのです。
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ELSOMワイナリーの女性オーナー、ジョディさん
ジョディさんがオーナーをつとめるELSOMもそのひとつ。ここがワイナリー?と一見首をかしげるごく普通の建物のドアを開けると、そこには小さな試飲カウンターがあり、そのすぐ隣でずらりと並んだワインの樽が熟成を待っています。シグニチャーワインは、力強く個性的なマルベックを主体とした赤ワイン。力強く温かな地力を感じる赤ワインは、「ワインは食事と楽しんでこそ」というジョディさんの言葉通り、リラックスした楽しいディナーを過ごしたいときにぴったり。
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JM Cellarsは緑に包まれた心地よい森の中にある
ウッディンビルの中心地、美しい庭園に囲まれたJM Cellarsはジョンさんとその妻のペギーさんが、作り上げた「理想の」ワイナリー。1998年に、シアトルの自宅の地下で趣味でワイン造りをはじめたのをきっかけに、それが自分達の生き方であると悟ったというジョンさんとペギーさん。2000年にウッディンビルに土地と古い家を見つけ、二人でこつこつと修復し、試飲室や貯蔵室、そして美しいガーデンを整えていったといいます。セラーで買ったワインをもってぜひ庭園で味わって欲しいと語るジョンさん。
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森の小径を下ると池へ。ここで休憩してワインを飲むのもステキ
石造りの壁に木をふんだんに使った美しい試飲室、四季折々の花が咲き乱れる庭園、池までの散歩径…。この空間すべてがジョンさんとペギーさんの理想郷。ここに訪れると、彼らの目指すワインの姿も自ずと見えてくるようです。
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Kestrel Vintersでは、バーのような優雅な空間でテイスティング
「Kestrel Vinters」は、手頃な価格でかつ質の良いワインを作りたいという思いで、1999年にジョンさんとヘレンさんがオープンしたワイナリー。ウッディンビルにある販売所兼テイスティングルームは、まるでバーのような重厚な雰囲気でそれぞれのワインの特徴の説明を受けながら試飲することができます。こちらのワインは、ボトルに女性のイラストが描かれたアーティストシリーズ、ファルコンシリーズ、ワインメーカーシリーズ、シグニチャーシリーズなどがあり、ポートワインやアイスワインなどを積極的に作っているのも特徴。濃厚なチョコレートのケーキとのマリアージュなども提案してくれます。
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ポートワインはチョコレートとの相性が抜群
小規模経営のワイナリーは、巡ってみるとそれぞれに個性が違い、ワインに対する考え方もそれぞれ。シアトルのレストランやワインを扱うスーパーでは、ワシントン州のワインを見かけることができますが、一度ワイナリーを訪れてみると、より理解が深まり親しみがわくものです。一つ一つのラベルに込められた意味を知れば、より美味しく味わえるでしょう。
ワイナリーが集まるウッディンビルは、シアトルからクルマで小一時間ほどの距離ですが、もちろん飲酒運転は厳禁。ワイナリーを巡るツアーも豊富にでているので、それを利用するのがお勧めです。
シアトルの地ビール巡りはこちら。