世界遺産ニューグレンジで冬至の時期だけに見られる現象
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2017年12月25日公開

エリア:ヨーロッパ  > アイルランド  > その他のアイルランドの都市 / ジャンル:観光情報・観光局・現地便り , 

アイルランドでは、今年の冬至(12月20・21日)に、ミース県のニューグレンジで見られる世界最古とされる冬至現象の再発見から50周年の記念日を祝った。首都ダブリンからおよそ50kmの距離にあるニューグレンジは、ボイン渓谷周辺に位置するブルー・ナ・ボーニャの新石器時代遺跡群の中でも最大の羨道墳(せんどうふん)。羨道墳とは、新石器時代に造られた個別の玄室(遺体が葬られている部屋や空間)に向かって、低くて狭い通路がある墓を意味する。

50年前の1967年12月21日、 ニューグレンジ羨道墳内部の玄室に立っていたアイルランド人考古学者マイケル・J・オケリー博士は、入口上部にある開口部から差し込む冬の太陽の淡い一筋の光が通路を少しずつ進み、やがて玄室全体を神秘的な黄金の輝きで満たす瞬間を目撃した。 それが 5,000年の時を経て、 初めて目撃された冬至の現象だった。

太陽の高度があがるにつれ、光線の先端が19mの羨道墳の床をゆっくりと奥へと差し込み、やがて玄室で広がって部屋全体を劇的に照らし出すと、室内にある古代の石の彫刻が浮かび上がる。この現象は午前9時頃に始まり17分間続く。ブルー・ナ・ボーニャの数々の羨道墳は豊富な岩絵で知られ、欧州最大の巨石芸術の集積地になっている。

ニューグレンジの時を示す仕掛けの正確さは、エジプトの大ピラミッドよりも500年早く、またイングランドのストーンヘンジより1,000年以上早く作られた。これを造り出した人々は新年の幕開けを告げようとしたのだろうか、それとも死者に対する深い弔いのシンボルとして表現したのだろうか。

ニューグレンジ は、アイルランド政府観光庁が「 アイルランドいにしえの東部(Ireland’s Ancient East) 」として振興している地域の中心となる遺跡で、 ユネスコ世界遺産 に登録されている。この地域には5,000年前の豊かな歴史が息づき、ひとつひとつの石塚に物語があり、城郭のひとつひとつの小塔にも伝説があり、ひとつひとつの丘に英雄の冒険譚が隠されているかもしれません。

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