- 2016.12.06
キラキラの最新ホテルはもちろん大好きだけれど、独特な個性を放つ、ユニークな歴史を歩んできたホテルの魅力はまたとっておき。長い歴史の中で、様々な物語の舞台となってきたような場所。政治家や哲学人、作曲家といった人々が、絶えることなく訪れてきたスポットにはやはり、いくつものエピソードが残されているもの。今回はそんな、ほかとは違うストーリーを歩んできたホテルのお話をいくつかご紹介しましょう。
まずは、美術史において20世紀最大の犯罪人とも言える、ビンセンツォ・ペルージャの物語から始めましょう。ルーヴル美術館の元職員だった彼は、1911年、あの「モナリザ」の肖像の窃盗に成功。最初の数日は、このホテル内の、今日“アドラチュール(Adorateur)”と呼ばれる部屋に泊まり、隠れていたと言われています。このホテルの公共スペースには、ヴェネチアンガラスを使ったランプや、ベネチア風カフェ、モザイクで囲まれたプールのデザインはダヴィンチへのオマージュになっていたりと、至る所にイタリアの影響が見られ、クラシカルなインテリアのアイデアを盗み取るのに持ってこいです。
2. CHICAGO ATHELETIC ASSOCIATION(シカゴ)
この厳かなイタリアンゴシック様式の傑作建築は、かつてシカゴのエリート男子が集まる社交の場となっていたのだそう。クリスタルガラス、見事なマーブル模様の大理石に、繊細な木細工・・・。もとからあったそんなディテールを見ただけでも、ニューヨークに拠点を置くインテリアデザイン会社、ローマン・アンド・ウィリアムズが手がけて当然と思える空間です。メンバーでなくとも立ち入れるようになった今、上質なスコッチを嗜みながら、そのエレガントな雰囲気に見を委ねれば、ビジネスでもプライベートでも、大切な会話がしっかり楽しめそうです。
廃墟となっていた町を再開拓するなんて、いかにもアメリカっぽい心意気ではありませんか。ようこそ、コロラド州はダントンの町へ。採鉱の町として黄金期を迎えてから丸1世紀が過ぎた今、ブームこそ廃れたけれど、西へと旅する人はまだまだいる、ということで、経営者チームは自らの手でその(小さな)町を丸ごとリノベートすることに。古いポニー・エクスプレス速達会社の営業所をフィットネスセンターに、酒場は近郊産食材にこだわったオープンキッチン付きのレストランに変身。もちろん、天然温泉は健在です。
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