薬の開発からお酒として広まったジンの元祖ジェネヴァ
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2017年12月21日公開

エリア:ヨーロッパ  > ベルギー  > ハッセルト / ジャンル:新規オープン・改装 , 観光情報・観光局・現地便り , イベント・フェスティバル

ベルギーの都市ハッセルト(リンブルフ州の州都でブリュッセルの東77km)は、蒸留酒ジンの元祖と言われるジェネヴァの有名な生産地。ハッセルトにあるジュネヴァ醸造所の建物が1987年にジュネヴァ博物館として開館。3年前の2014年9月に改修工事を行いリニューアルオープン。改装された博物館では、ジェネヴァの歴史、展示、テイスティング、約100種類のジェネヴァの販売など、ジュネヴァを味わうだけではなく、視覚、聴覚(音)、嗅覚(香り)といった五感で楽しみながら体験できる。

ジュネヴァ博物館(Jenever Museum)
www.jenevermuseum.be

ハッセルトでは毎年10月に「ジェネヴァ祭り」が行われる。残念ながら今年は終わってしまったが(28回目となる2017年は10月14日・15日)、ハッセルトの町の鹿がシンボルとなり、ジェネヴァの試飲、地元料理、音楽、パレード、市場が出現して大いに賑わう。お酒が苦手な人にもジュネヴァを使ったスペキュロース(シナモンクッキー)やチョコレート、ジュネヴァ入りのパテも販売。

祭りの土曜日の午後3時からは、19世紀の手法で作られたジュネヴァがハッセルト市長により味見・認可されるイベントが行われ、午後4時からは、なんとハッセルトの町の噴水(Het Borrelmanneke)から、その時だけ特別に本物のジュネヴァが溢れだし誰でも飲むことができる。日曜日の午後3時からはジュネヴァが入ったボトルとグラスをトレイに載せて走るウェイター・レースが開催され、勝者には自分の体重分のジュネヴァが賞品としてプレゼントされる。2013年ジュネヴァ祭りの映像はこちらから

ジュネヴァ祭り(Jenever Feesten)
www.jeneverfeesten.be


ジェネヴァとジンは薬だった!
ジンは、11世紀頃にイタリアの修道士がジェニパーベリー(セイヨウネズの実)を主体としたスピリッツを作っていた記録があるのが発祥とされる説が現在は有力。1660年、オランダのライデン大学医学部シルヴィウス教授が熱病の治療薬として解熱・利尿用薬用酒「ジュニエーヴェル・ワイン (ジェネヴァ) 」を製造。しかしジェネヴァの爽やかな香りから、普通に飲んでも美味なためオランダ国内でお酒として一般化した。1689年、オランダの貴族オレンジ公ウイリアムがイングランド国王として迎えられた際に、ジェネヴァもイギリスに持ち込まれ爆発的な人気となり、名前も短くジンと呼ばれるようになった。ジュネヴァの主要生産地ハッセルトでは、昔ながらの穀物を使ったものから、フルーツやクリームを使ったジュネヴァも作られるようになり、様々なカクテルにも使用されている。

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