ウィーンの歴史を映し出すリング通り誕生150周年
期間:2015年1月1日から 2015年12月31日まで
[リスヴェル編集部]2014年06月 6日公開

エリア:ヨーロッパ  > オーストリア  > ウィーン / ジャンル:イベント・フェスティバル , 観光情報・観光局・現地便り , 

宮殿や劇場など多くの歴史的遺産、美しい公園、著名人の記念碑、市庁舎など、世界的にも非常に希な、しかし世界でもっとも美しい大通りとして知られているウィーンの「リング通り(Ring Strasse)」が誕生して来年2015年が150周年目になる。

1865年5月1日、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフは、リング通り開通を宣言した。リング通り建設は、都市計画の分野における最高傑作に数えられ、完成までには半世紀以上が費やされた。19世紀、新たに台頭した市民階級は政治経済に進出し、社会的発展を背景に、建築と美術の分野にも著しい飛躍をとげた。ウィーンの都市計画の観点から見てもリング通りは独特の存在。国家の行政と文化における主要な建築すべてが、この1つの大通りに沿って並んでいる都市は他に存在しない。リング通りは世界最大規模の野外博物館であり、ウィーンの精髄を表した存在と言われる。

〈リング通りの誕生〉
1857年12月のウィーン新聞には、「これは余の意志である」と始まる歴史的な皇帝の言葉が印刷されていた。旧市街周辺に発展した新興地区は帝国統治の中枢と結合されるため、50年以上の建設期間を経て、全長5.3キロの環状大通りが完成。この時代に市民権を得たユダヤ系上流市民は、リング通りに豪華な宮殿を建設し、華やかなサロン文化が繰り広げられた。エプシュタイン宮殿、トデスコ宮殿、エフルッシ宮殿など、10以上の宮殿がリング通りに並んでいる。

上流市民の宮殿とは別に、オーストリアで最も重要な建築、ホーフブルク王宮・新王宮、美術史博物館、自然史博物館、オペラ座、ブルク劇場などもリング通りに並び、国会議事堂、市庁舎、ウィーン大学など民主主義を表す建築も登場した。さらに、ブルク劇場、ウィーン大学、ヴォーティフ教会のほか、当時のリング通りには27軒のカフェが開業し、カフェ文化の黄金時代が到来。そして美しい公園や庭園が今日に至るまで市民に憩いの場を提供している。マリア・テレジア、ゲーテ、モーツァルト、ヨハン・シュトラウス2世の記念碑もリング通りを飾っている。現在見られるリング通りの景観は当時最高の建築家によって創造され、歴史主義様式と呼ばれている。

2015年1月の王宮前広場の花火を皮切りに、博物館や文化施設だけでなく、マラソン大会、ピーアールエード、舞踏会、音楽会など、リング通り150周年を記念するイベントが開催される。来年まで待てずにリング通りを周遊するならば、路面電車「ウィーン・リングトラム」がお薦め(30分間隔で運行)。毎日午前10時から午後5時30分まで運行。

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