スパヘ行く
施設の充実したホテルでは時間を使って体験したい、ウェルネスと食事。ザ・ペニンシュラマニラでは、その二つともがマニラを代表する自慢の施設として認められています。
部屋でフライトの疲れを癒しつつ、ウェルネス・スパメニューを眺めてみました。ザ・ペニンシュラ スパ、フィットネスセンター、プールスナックバーとある中で、スパに目が向きました。数多くあるトリートメントメニューの中でマッサージメニューは6種類あり、その中でも、フィリンピンの伝統的かつ代表的なメニューのヒロットマッサージがいいように思いました。筋肉と関節の緊張を和らげてくれると書かれています。
ザ・ペニンシュラ スパは、マカティタワーの一階に位置しています。緑豊かなガーデンを進むと、スパに繋がる重厚な扉があります。東洋、アーユルヴェーダ、ヨーロッパそれぞれの哲学と現代のトリートメント融合させた、多くの受賞歴を誇るオリジナルトリートメントなど受けることができます。香港から伝わる歴史と伝統を継承しながら、ホテルの建つ土地の文化を取り入れるザ・ペニンシュラの哲学にのっとり、ザ・ペニンシュラマニラのスパでは「AMU‘IN」というブランドが選ばれ、トリートメントに使われています。夜のプールでネオンが輝く水面を見ながら、レセプションで受付を済ませて着替えます。
トリートメント開始
照明の落とされた部屋の壁にまたたくキャンドルの光で気分が落ち着きます。まずは、大きめのボールに足を浸し、フットバスから開始。ベッドにうつ伏せになって、始まるのは強めのマッサージ。3段階の強さを聞かれたので中と言ったのですが、それでもかなりなもの。セラピストの指よりも腕全体が感じられるディープティシューマッサージがベーシックな手技で、このスパを代表する施術のひとつなのだそう。そこに伝統的なヒロットスタイルが加わっています。強めのマッサージの先に、身体の火照りを感じます。使用するオイルは温めたものを使用するので、癒されるのはもちろん、そのオイルによってトリートメントルーム全体が熱帯雨林のジャングルにいるような香りに包まれて、森林浴をしているような気分になります。オイルの成分を聞くと、ヴァージンココナッツオイルと有機レモングラスだそう。
その後、温めたバナナの葉を背中に乗せ、身体を温めながら筋肉や関節の緊張を緩和させていきます。そして、小さなキャンドルに火を灯しカップをかぶせ、すぐ消すとヴェントーサを開始。他の国ではカッピングとして知られているよう。オイルを施した背中の上を滑らせるので、血流が促されデトックス作用の効果も期待できます。最後に竹の棒で足裏を押す“ダグタガイ”とヘッドマッサージで締めくくります。途中、気分の高揚と共に眠気を覚えながらも、充実した90分を過ごしました。
次はダイニングへ
スパの施術を受けながら、ディナーのメニューを考えていました。館内には7つのダイニング施設と24時間オーダー可能なインルームダイニングサービスがあります。インターナショナルやヨーロピアンがある中で、アジア各国のメニューを楽しませてくれる「スパイシーズ」に向かいました。スパを出て、プールサイドからロビーに入ったところにあります。料理長が変わって間もない時期。入り口には、その料理長を紹介するボードが掲げられていました。インド出身の“ラデ・シャーム(Radhey Shyam)”氏。彼の手に掛かるとアジア各国の料理がお皿の上で芸術作品となります。
インド・東南アジア圏料理「スパイシーズ」のスタート
店に入ると、奥のダイニングエリアに案内されます。窓が広々ととられてプールが借景となるトロピカルガーデンと呼ばれる中庭に面した場所。半円形のカーヴが優しく感じます。バリ島のリゾートをイメージしてデザインされています。
メニューにどこの国のメニューか書かれていますが、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、シンガポール、スリランカ、インドの豊かな大地の素材を使って仕上げられていることがわかります。日本人には、馴染みのあるメニューが多くあります。
選んだメニューは
アペタイザーとして選んだのは、「ホット&サワークラブスープ」カニがベースでブラックマッシュルーム、豆腐、ネギが入ったスパイシーなスープ。最初の一品、このスープで一気にアジアンテーストの世界に引き込まれます。
次にサイドディッシュとして、カレーソースをつけて食べる全粒粉を使った無発酵のパン「ロティ・チャナイ」を。ナンでは無く、パンで食べるカレーもいいものです。メインとなるのは、揚げたチキンにサワーソースを付けて食べる「クリスピーチキン・サモサ・スプリングロール」とスパイスカレーにカニが乗る「ソフトシェルクラブ・チリマサラ」です。チキンやカニのメニューが重なっているのですが、味わいが違って別物に思えます。
デザートは「スウィートマンゴー・ステッキーライス」です。柔らかく甘く炊いたライスのまわりにフレッシュなマンゴーが花びらのように囲みます。初めての味と取り合わせに最初は驚きがあって、その後落ち着くと優しい甘みが広がります。
デザートが終わる頃には、料理長が各テーブルを回って挨拶をしていきました。
どうやら彼はスパイスの魔術師と呼ばれているようです。優しい笑みの中に、繊細な料理の力が隠されている様子を見届けられたのは一流ホテルならでは。
マニラの冬はさほど寒いわけではありませんが、体が温まる熱いときを過ごすことができました。
ザ・ペニンシュラマニラ
⇒ https://www.peninsula.com/ja/manila/5-star-luxury-hotel-makati