旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年11月26日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

熱帯気候の中に蒼然と佇む伝統のホテル「ザ・ペニンシュラマニラ」

交差点裏にあるとは思えない静かなエントランスzoom
交差点裏にあるとは思えない静かなエントランス

ホテル概要
世界で10都市の厳選されたロケーションでホテルを運営するザ・ペニンシュラホテルズ。アジアの代表的な都市として選ばれたのはマニラです。マカティ地区にザ・ペニンシュラマニラがその姿を現したのは1976年で、30年を超える歴史を有するマニラのランドマークとして周囲を圧倒し、今も燦然と輝き続けています。

アヤラ・アベニューとマカティ・アベニューの交わる繁華街交差点の位置にありながら、その大通りを敢えて裏手に配する大胆な造りは、マニラの喧騒から逃れるように、中で憩う者を安らぎに導いています。

エントランスへ
スロープを上がると、一対の獅子像が迎えてくれる心安らぐエントランスが現れます。日本人にとってマニラの治安は気になるところですが、空港以外にザ・ペニンシュラマニラの入り口でも手荷物検査が行われているので安心できました。ロビーの広さはペニンシュラ随一と言われるだけあり、圧倒的迫力を持って迎えてくれます。見上げれば、天井には太陽の彫刻があり、左右に分かれたオールデイダイニング「ザ・ロビー」が、広さの中にあって優雅な空間を生み出しています。フロアをいっぱいに使ったダイニングは年中無休で24時間営業しており、人が集って憩う場所にありながら、とても静粛な雰囲気が漂っています。ここに座っていると、時を忘れてしまうかのようです。

迎賓館のようなロビーzoom
迎賓館のようなロビー

部屋に向かう
いつまでも座っていたい気持ちを抑えて、フロントデスクで手続きを済ませると、スタッフが部屋へ案内してくれます。荷物を運んでくれたのは、ペニンシュラを象徴するページボーイ。エスコートしてくれたスタッフの「素敵な滞在になりますように」との言葉の後に、真っ先に目に入ったのはリビングのテーブルに置かれたミニチュアのタイプライターの置物。引き出しには目にも鮮やかなチョコレートが並んでいました。まるで絵画の世界が机の上に表現されているよう。
ココナッツジュースの入った実に加えて、マンゴーにバナナとウェルカムフルーツにも迎えられ、歓迎の気持ちが伝わって嬉しくなります。

驚きが迎えてくれる部屋zoom
驚きが迎えてくれる部屋

部屋はくつろぎの場所
部屋は88㎡の広さのプレミアスイート。リビングで、街を見渡しながらゆったりできます。続くベッドルームもゆったりとした広さ。更に進むとバスルームが現れ、オスカー・デ・ラ・レンタのアメニティが並んでいます。さらに部屋には、照明や温度調節などがワンタッチで操作可能なベッドサイドコントロールパネルや外に出ることなく外気温を知ることができる温度計など、ペニンシュラ独自開発のテクノロジーが導入され、快適に過ごすことができます。自社によるテクノロジーの開発は、ホテル業界で唯一なのだそう。

風呂に入りバスローブに着替えると、部屋を出ずにもリビングで出来ることが多くあることに気づきます。日頃の慌ただしさを思いつつ、穴埋めをするようにボーッとする時間も必要だと思えます。暮れなずむマニラの夕陽が隣のタワーに写りこむ様子が見えて、しばし無心の時間を過ごすのもいいもの。
音楽を聴くのもいいし、日本にいるように大型液晶テレビでNHKインターナショナルのプログラムを見てもいい。今回の到着は遅めであったので、既に就寝準備となるターンダウンの用意はされていました。純白のスリッパの置かれたマットがベッドサイドにあり、配慮の行き届いたサービスが感じられました。

リビングとベッドルームzoom
リビングとベッドルーム

目覚めの朝に
キングサイズベッドで目覚めると、遠くにダウンタウンの高層ビル群が見えていました。爽やかな朝です。マニラが一年中暑いとはいえ10月は真夏ではありません。

朝食へ
ロビー階に降り、オールデイブッフェダイニング「エスコルタ」に向かいます。
地元の食材を使いながら、インターナショナルな料理を提供するダイニングです。フルーツ、フレッシュジュース、ジャムの並ぶコーナー。冷蔵ショーケースには椰子の実に入ったココナッツジュースまで置いてあります。野菜や魚と肉メニューがあり、バランスがいいですね。ライブキッチンではオムレツが頼めます。自家製パンは種類が豊富。日本食のコーナーでは、たくあん、納豆、冷奴とカニカマまでありました。ダイニングのコンセプトを「農家から食卓へ」と謳っているそのままに様々な食材を使用したメニューがずらりと並んでいました。

「エスコルタ」で贅沢な朝食をzoom
「エスコルタ」で贅沢な朝食を

スタッフのおもてなし
改めてロビーを歩いていると、スタッフは笑顔で通り過ぎるだけではなく、一旦立ち止まり、少し壁際に移動し挨拶をします。ロビー階のトイレに入れば、白い制服に身を包んだスタッフがペーパータオルを持って立って待っています。ここに来れば、ペニンシュラならではの温かいおもてなしを受けていることが強く感じられます。ザ・ペニンシュラホテルズには「ホテルが建つ土地の文化を取り入れる」という哲学があるため、各都市のホテルを訪れるとまったく違う造りで迎えてくれますが、すべてのホテルで変わらない温かい“ペニンシュラホスピタリティ”を感じられるのが特徴でもあります。

ロビー奥には、フィットネスセンターや庭園に囲まれたプールを有するザ・ペニンシュラ スパがあります。年中泳げるマニラにあっては、都会のオアシスとしてプールの利用をおすすめします。ソファーベッドにタオルを敷いて、日がな一日を過ごすのです。芝生のエリアがあって、緑の園を裸足でくつろぐと、都会のリゾート気分を味わえます。

緑深きプールzoom
緑深きプール

多くの旅行者にとってこのザ・ペニンシュラマニラは、旅行者のからだの中にある贅沢というカテゴリーの気持ちを沸かせてくれる数少ない場所です。

協力:ザ・ペニンシュラマニラ 
⇒ https://www.peninsula.com/ja/manila/5-star-luxury-hotel-makati

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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