旅の扉

  • 【連載コラム】「“鉄分”サプリの旅」
  • 2018年9月4日更新
共同通信社ワシントン支局次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎

あなたの「夢の鉄道旅行プラン」を募集!鉄旅オブザイヤー、10月末まで

△「鉄旅オブザイヤー」2017年度の授賞式で賞状を見せるベストアマチュア賞を受けた吉田直哉さん(後列一番左)。前列は左から司会の吉川正洋さん、久野知美さん、外部審査員の筆者(2018年2月6日、さいたま市の鉄道博物館)zoom
△「鉄旅オブザイヤー」2017年度の授賞式で賞状を見せるベストアマチュア賞を受けた吉田直哉さん(後列一番左)。前列は左から司会の吉川正洋さん、久野知美さん、外部審査員の筆者(2018年2月6日、さいたま市の鉄道博物館)

 あなたの「夢の鉄道旅行プラン」を応募してください!鉄旅(てつたび)オブザイヤー実行委員会は9月1日、日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」の2018年度について、鉄道ファンや旅行好きの消費者から募る一般部門の募集を始めた。一般部門の最高賞「ベストアマチュア賞」を1点選び、19年2月6日水曜日に鉄道博物館(さいたま市)で開かれる授賞式で発表する。受賞者には賞金5万円と、JR協賛による記念品を進呈する。
 募集するのはJR旅客6社と地元自治体が開催する大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」(DC)が19年度に開催される静岡県、熊本県、新潟県・庄内エリア、京都市のいずれかを訪問する企画で、応募期間は10月31日水曜日まで。

 ▽あなたの企画が旅行商品に?
 一般消費者が「こんな鉄道旅行に参加してみたい」と考えるような夢のある鉄道旅行のアイデアを寄せてもらう。受賞作品が、今後の旅行商品に生かされる可能性もあり、著作権は放棄して利益還元はしないのが応募条件となる。
 併せて旅行会社が今年10月までの1年間に実施した企画旅行から最高賞の「グランプリ」などを選ぶ旅行会社部門も、9月14日~10月12日に募集。これらを最終選考する外部審査員には旅行サイト「Risvel(リスヴェル)」で本コラム「“鉄分”サプリの旅」を連載し、共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS」などに連載されている鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部(しおどめてつどうくらぶ)」執筆者で、共同通信社経済部次長の大塚圭一郎ら13人・団体が選ばれた。審査委員長は、「旅と鉄道」統括編集長で日本旅行作家協会専務理事の芦原伸氏が3年連続で務める。

△JR東日本長野支社の観光列車「リゾートビューふるさと」に乗り、鉄道旅行を楽しむ「子鉄」の息子(右)と筆者(18年9月、長野県大町市)zoom
△JR東日本長野支社の観光列車「リゾートビューふるさと」に乗り、鉄道旅行を楽しむ「子鉄」の息子(右)と筆者(18年9月、長野県大町市)

 ▽一般部門の応募方法は
 18年度で3回目となる一般部門は、DCが19年4~6月に開かれる静岡県、19年7~9月に開催される熊本県、19年10~12月の新潟県・庄内エリア、20年1~3月の京都市のいずれかを対象地域とする。
 企画内容は開催時期を限定せず、DC期間以外を想定した内容を応募するのも可能。応募用紙は鉄旅オブザイヤーの公式サイトからダウンロードし、1泊2日以上の企画の場合は宿泊地域を記載する。ただ、宿泊施設を指定する必要はない。
 応募できるのは未発表作品に限り、他のコンテストなどの入賞作品や出版した作品は応募できない。

 ▽「鉄道旅行の日本アカデミー賞」
 鉄旅オブザイヤーは東日本大震災からの復興と、鉄道を活用した旅行需要喚起を目指して11年度に設けられ、18年度で8年目。JR北海道とJR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州のJR旅客6社全てと、民営鉄道会社でつくる日本民営鉄道協会、旅行業界団体の日本観光振興協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会が後援しており、「鉄道旅行の日本アカデミー賞」とも評されている。
 大塚は「優れた鉄道旅行こと鉄旅を顕彰し、発展に多大な貢献をしてきた鉄旅オブザイヤーの外部審査員を続投させていただくのはとても光栄で、身の引き締まる思いです」とした上で、「公正中立の姿勢を堅持し、全力を挙げて審査に携わらせていただきますので、夢のある企画や奇想天外なアイデア、地方活性化に貢献する秀逸な鉄道旅行プランが皆様から寄せられるのを心待ちにしています」とコメントしている。審査員は「就任時から全くの無報酬で引き受けています」と強調している。

△2017年度の鉄旅オブザイヤーで旅行会社部門の「グランプリ」を受けたクラブツーリズムの大塚雅士さん(右)と筆者=18年2月7日、さいたま市の鉄道博物館zoom
△2017年度の鉄旅オブザイヤーで旅行会社部門の「グランプリ」を受けたクラブツーリズムの大塚雅士さん(右)と筆者=18年2月7日、さいたま市の鉄道博物館

 ▽司会は鉄道愛好家で有名な久野知美さん
 18年度の授賞式の司会進行は、熱心な鉄道ファンとして有名なフリーアナウンサーの久野知美さんが好評を受けて引き続き務める。
 久野さんは、東武鉄道の伊勢崎線などを走る特急用車両「リバティ」500系、東京メトロ日比谷線に直通運転する通勤型車両70000系、東上線で朝夕に運行する有料の座席指定電車「TJライナー」50090系などの日本語車内自動放送の声を担当している。通勤通学やお出掛けで乗られた際に、久野さんの美声を耳にされた方は多いだろう。

 ▽前年度の受賞作品は
 前年度の17年度はベストアマチュア賞には60件の応募があり、神奈川県秦野市の公務員、吉田直哉さんの作品が選ばれた。島根県のJR山陰線の列車内で参加者同士がじゃんけんし、負けると次の駅で降りるというルールで進み、予期しない出会いや観光を楽しむ。
一方、旅行部門には過去最多の114件の応募があり、JR東日本の人気のお座敷列車「宴」を貸し切り、東京と千葉、神奈川の1都2県を周遊する旅行会社クラブツーリズム(東京)JR販売センターの大塚雅士さんが企画した日帰り旅行がグランプリに輝いた。
 大塚は、同じ名字の17年度のグランプリ受賞者、大塚雅士さんとは「私が知る限りでは縁戚関係はない」と説明し、「授賞式で初めてお目にかかり、知り合うことができました」と話している。
 詳しくは公式サイト「鉄旅オブザイヤー」まで。

共同通信社ワシントン支局次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎
1973年4月東京都杉並区生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。1997年4月社団法人(現一般社団法人)共同通信社に記者職で入社。松山支局、大阪支社経済部、本社(東京)の編集局経済部、3年余りのニューヨーク特派員、経済部次長などを経て、2020年12月から現職。アメリカを中心とする国際経済ニュースのほか、運輸・観光分野などを取材、執筆している。

 日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。東海道・山陽新幹線の100系と300系の引退、500系の東海道区間からの営業運転終了、JR東日本の中央線特急「富士回遊」運行開始とE351系退役、横須賀・総武線快速のE235系導入、JR九州のYC1系営業運転開始、九州新幹線長崎ルートのN700Sと列車名「かもめ」の採用、しなの鉄道(長野県)の初の新型車両導入など最初に報じた記事も多い。

共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS」などに掲載の鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/culture/leisure/tetsudou)の執筆陣。連載に本コラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)のほか、47NEWSの「鉄道なにコレ!?」がある。

共著書に『平成をあるく』(柘植書房新社)、『働く!「これで生きる」50人』(共同通信社)など。カナダ・VIA鉄道の愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。FMラジオ局「NACK5」(埼玉県)やSBC信越放送(長野県)、クロスエフエム(福岡県)などのラジオ番組に多く出演してきた。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の元理事。
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