旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年3月3日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

日常を離れて週末台湾ひとり旅は「キャセイパシフィック航空」で

キャセイパシフィックの新塗装機zoom
キャセイパシフィックの新塗装機

週末セレブな一人旅
週末海外に出れば、日ごろの疲れが飛んでいくというもの。その行き先とフライト、一泊を有意義に過ごすためのホテルは慎重に選びたいですね。思い切り非日常の上質な空間に身を置いて、逃避行する心と身体を迎え入れて貰います。

キャセイパシフィックが成田発台北桃園空港行きの便を毎日1往復から2往復に増便運航を開始したのが2017年10月29日(成田発初便は翌日)のこと。LCCが多く飛び始めた今、あえてフルサービスキャリアでビジネスクラスのゆったりとした旅を求めて週末旅行に出掛けてみました。搭乗するのは増便となったフライトで、目的地の滞在が多く取れる午前発の523便。機材はエアバスA330-300です。

成田空港第二ターミナルビルのキャセイパシフィック・ラウンジからは、機体の尾翼が見えています。青空の下に香港行きと台北経由便が並んで駐機。ドリンクを片手にカウンター席に座っていると出発前の気分が高まっていくのがわかります。

キャセイパシフィックの上質なビジネスクラス
機体に入ると、黒のジャケットを着るインフライトサービスマネージャーが笑顔で迎えてくれます。「富士山を眺めながら行きたい」と成田や羽田から離陸する便ではいつも頭の中に浮かんでいるので、今日は右舷の席。すぐに、シャンパン・ゴールド色のブラウスを着るスーパーバイザーがウェルカムドリンクを持って来てくれます。名前を呼んでくれるのもいい配慮。日本語のぎこちなさがあっても好印象です。

都心を眺めながら西に向かいますが、今日は富士山の真上を飛んでいきます。機窓からはすそ野が見えただけでした。そんな頃になると、少し遅めの朝食が始まりました。

迎えてくれたインフライトサービスマネージャー(右)とスーパーバイザーzoom
迎えてくれたインフライトサービスマネージャー(右)とスーパーバイザー

コースの機内食 クロスが眩しい朝食
厚手の布のおしぼりで気分を変えると、食前ドリンクのオーダーです。
アイロンの掛かった白いクロスがテーブルに敷かれての最初のメニューは、フルーツプレート。キウイ、パイナップル、イチゴ、オレンジ、グレープが色どりも美しく盛られ、クロワッサンなど3種のバゲットとともに運ばれてきました。シリアル、ヨーグルトもメニューにあります。マーガリンにはキャセイパシフィックのロゴが付いた酸化防止の紙が置かれ、一流ホテルレストランの様相。メインはスクランブルエッグ、ローストダック、和食の中から、季節限定メニュー北海道海鮮ご飯を選びました。エビ、ホタテ、サーモンがごろりと入っており、じゃがいもが添えられて朝食からボリュームがあります。

機体は、セントレアや関西空港を眺めながら四国南岸、九州南端を目指します。
3時間半後、台北桃園空港に到着です。

ビジネスクラスの機内食はワゴンサービスzoom
ビジネスクラスの機内食はワゴンサービス

極上の滞在はマンダリン オリエンタル 台北
目指すホテルはマンダリン オリエンタル 台北。台北松山空港南側の交通至便な場所にあります。敦化北路沿いからダイレクトにアクセスできる便利さを捨てて、内側にエントランスを設けています。都会にありながら樹々を見ながら入口に向かうのは気分がいいもの。エントランスの椅子とシャンデリアだけのスタイリッシュな空間を越えて、チェックインカウンターに向かいます。
ここで名前を告げると、すぐに部屋へ案内されます。クラブ デラックス キングルームに落ち着きました。チョコレートやフルーツも置かれ、ウェルカムティーとして運ばれた洛神冬瓜茶の甘い香りを楽しみ、目を閉じてみます。非日常をゆったりと迎えてくれる場所が見つかりました。

6階のクラブラウンジでも特別感があります。受付で部屋番号を告げると名前が返ってきます。何をお召し上がりになりますかとの問いに、ティーといくつかのスイーツを頼んでみました。美しく取り分けられたスイーツと東方美人と呼ばれる台湾茶が用意されます。イチゴタルトのまわりに真珠のように見えるシュガーが鮮やか。

ホテルの自慢はスパですが、同じ階にあるプールもゆったりとしたスペースで贅沢です。冬でも温水で遊泳が楽しめます。ホテルの空中庭園があり、樹々の緑が目を休めてくれます。

ロビーとプールzoom
ロビーとプール

帰路は嬉しいアップグレード機材
台北桃園空港のキャセイパシフィック・ラウンジは、第一ターミナルの中。
出発前に、「ザ・ヌードル・バー」で腹ごしらえし、カクテルなどを楽しんでみては。
シグネチャーカクテルのキャセイ・デライトはほどよい甘さ。癒されます。

台北桃園空港ラウンジ ワンタン麺とキャセイデライトzoom
台北桃園空港ラウンジ ワンタン麺とキャセイデライト

帰路は、夕刻の522便。往路と同じエアバスA330でしたが、機材変更の関係で長距離便に使われる1-2-1配列のビジネスクラスが待ち受けます。シートを分ける壁が高くフルフラットになる個室感が高いタイプで、短時間では勿体ない。

ちょうど夕食の時間のフライトで、グリルチキン、エビ入りパスタ、ビーフの中からチョイスします。

日本人男性客室乗務員 笑顔のあるフライト
ケイタさんは、キャリア7年の転職組。アメリカで育った国際派です。キャセイパシフィックで日本人男性客室乗務員は少ない中、航空業界を目指す学生から進路相談を受けたこともあるそう。この仕事が楽しくて仕方がないと語ります。

客室乗務員の皆さん ケイタさん(左手前)zoom
客室乗務員の皆さん ケイタさん(左手前)

もてなす側が楽しんで仕事をしていて、お客様にも伝わります。
ビジネスクラスのシートを大きく倒し、窓枠を照らす夕陽を眺めていると、明日からの活力が湧いてきます。上質なサービスを満喫できた、いい週末旅でした。

協力:キャセイパシフィック航空
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航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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