旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2017年11月2日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

ルフトハンザ ドイツ航空 東京ファッションフライトで70年代の制服を着用し乗務へ

「東京ファッションフライト」出発前にゲートでの記念撮影zoom
「東京ファッションフライト」出発前にゲートでの記念撮影

出発前にセレモニー開催
ルフトハンザ ドイツ航空は、このほど開催された東京ファッションウィークに合わせて、乗務員が歴代制服を披露するイベントを開催。

乗務員が70年代の制服を着用して羽田からフランクフルト便に乗務したのが「東京ファッションフライト」です。
羽田空港の出発ゲートとボーイング747-8の機内で、1970年に着用を開始した制服を披露しました。ベルリンのワーナー・マハニクがデザインしたもので、30年以上親しまれたルフトハンザ ドイツ航空を代表するものです。

当日はあいにくの雨模様でしたが、そのジメジメした空気を明るく吹き飛ばすビビッドな色使いの制服に、乗客は拍手を送りました。
男性はカクテルスーツ、女性はブルーとイエローのミニスカート。青の色使いは現在のものより明るく、若々しい雰囲気を演出します。

出発ゲート横のセレモニー会場では、ルフトハンザ ドイツ航空 日本・韓国 支社長ドナルド・ブンケンブク氏が登壇し、挨拶。横一列に並んだ乗務員が笑顔で写真に納まっていました。

ルフトハンザ ドイツ航空 日本・韓国 支社長 ドナルド・ブンケンブルク氏の挨拶zoom
ルフトハンザ ドイツ航空 日本・韓国 支社長 ドナルド・ブンケンブルク氏の挨拶

プレミアムエコノミークラスの実力
ルフトハンザ ドイツ航空では2014年に始まったプレミアムエコノミークラスのサービス。座席は2-4-2の横8列配置で、エコノミークラスよりも2席少なくゆったりとしたグレーのファブリックが身体を包んでくれます。フットレストも装備され、疲労の貯まる足もとを楽にしてくれます。座席にはドイツの鞄ブランドPICARDのアメニティとスリッパが用意され、前ポケットにペットボトルの水が置かれているのが親切です。専用のヘッドセットもあり、エンターテイメントを楽しむことができました。

座席のゆったり感は、隣席の旅客と取り合う事の無いひじ掛けに現れます。
搭乗便では最前列でしたので、更に空間に余裕がありました。
最初のドリンクサービスにはHigh-flyer crispsと名付けられたスナックが配られました。以前のHoppersもそうですが、空がモチーフのスナックをさりげなく配ってくれるところに、ルフトハンザ ドイツ航空の遊び心と空への愛情が感じられて嬉しくなります。

搭乗後すぐのオレンジジュースサービスはプレミアムエコノミークラスの特権zoom
搭乗後すぐのオレンジジュースサービスはプレミアムエコノミークラスの特権

客室乗務員の帽子やマントを着用する姿は、明るい色を好んだ1970年当時の世相を思わせる高揚した楽しい雰囲気に包まれていました。

お楽しみは機内食
プレミアムエコノミークラスのメニューは、洋食では鶏胸肉のソテー、和食は鶏胸肉の山椒だれ丼から選択が可能。全て陶器の器が使用されているところにエコノミークラスとは違い高級感があります。山椒の爽やかな香りにだしの優しさが加わり、さつまいもの甘さもあって上品な味に仕上がっていました。

陶器に盛られたプレミアムエコノミークラスの食事 出発後の昼食(上)と到着前の夕食(下)zoom
陶器に盛られたプレミアムエコノミークラスの食事 出発後の昼食(上)と到着前の夕食(下)

機内でレトロ制服撮影会
フライトの途中では、ジャンボジェット機の象徴となる階段スペースで記念撮影が行われました。乗務員が一列に並ぶ姿は壮観です。撮影場所の広がりを見せる為に、通路にも並んでくれました。ルフトハンザ ドイツ航空の演出で階段のある舞台で好演する演者の様子を見せます。

機内で記念撮影の機会がありましたzoom
機内で記念撮影の機会がありました

機内探検に案内してくれた
このフライトには、乗務員で広報担当と兼務するフローリアン・シュウェーベルさんが乗務しており、メディアの要望にも親切丁寧に応えています。
話を聞くと月の半分はデスクワークで残りが乗務とのこと、客室乗務員が広報活動に積極的に関われるように現場の声を挙げています。
制服を担当する乗務員も搭乗しており、昔の着こなしを忠実に再現できているかチェックしていました。完璧に用意してお客様を楽しませようという姿勢に好感が持てます。

普段入れない上級クラスにも案内してくれました。
ジャンボジェット最前方。エンジンから遠く静粛性の高い個室空間でキャビアが盛られた皿がサーブされており、上級クラスの貫禄が感じられます。

広々と重厚なソファーのようなシートはもちろんのこと、トイレにも窓があり、便座のふたは周囲と一体化したデザイン。個室内のアメニティはスイスの高級スキンケアブランド「La Prairie」が並びウッドの化粧板が落ち着いた雰囲気をかもし出していました。

ビジネスクラスの後方にエコノミークラスが36席配置され、その後ろにプレミアムエコノミークラスの座席4列32席が並びます。そのあと最後部までエコノミークラスが設置される変則設計になっています。この前方のエコノミークラスはちょっとした個室感があって座ることができればラッキーだと思います。何故このような配置になったのか乗務員に聞いてみたのですが「ルフトハンザの七不思議だ」と言って笑っていました。

日本人乗務員インタービューから見えるルフトハンザ ドイツ航空
エコノミーとプレミアムエコノミークラスを担当する日本人乗務員の岸崎結花さんに話を聞きました。前職は、ピーチとガルーダインドネシア航空。学生時代にドイツ留学をして欧州のエアラインに憧れて転職しました。ドイツ人のメンタリティが日本人に合っていてとても仕事がしやすいと話します。

フランクフルトベースでの生活はドイツ近郊を巡ることを楽しんでいるそうです。
お勧めはライン川下りやワイナリー巡り。ハイデルベルクやストラスブルクなどの都市が好みです。
既にエアバスA350の訓練も終わりミュンヘン⇔羽田線デビューに備えます。

広報を兼務するシュウェーベルさん(左)と日本人客室乗務員の岸崎さんzoom
広報を兼務するシュウェーベルさん(左)と日本人客室乗務員の岸崎さん

乗務員が口を揃えて言うのは、働き易い職場環境。チームワークが生まれると、そのプラス効果が接客にも表れお客様の満足度UPに繋がります。
激変の欧州エアラインの中で、足場を固めるルフトハンザ ドイツ航空。
11時間の長さを感じさせない、充実したフライトを楽しみました。

協力:ルフトハンザ ドイツ航空 
⇒ 
http://www.lufthansa.com/jp/ja/Homepage

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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