古代から伝承するクアロアの伝説と神話６選

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迫力あるカマプアアの木彫りの像

ワイキキから車で約50分、オアフ島の北東に位置する「クアロアランチ・ハワイ」は、乗馬や四輪バギー、映画ロケ地ツアー、ジップライン、プライベートビーチ体験などが楽しめるアクティビティ施設として人気があり、東京ドーム450個分（約500万坪）の広大な敷地には緑豊かな山々と渓谷が広がり、「ジュラシック・パーク」や「ゴジラ」、「パールハーバー」など、数々のハリウッド映画やテレビドラマのロケ地としても使用されている。

クアロアの土地は、カメハメハ王朝直轄の土地であり、古代ハワイアンにとって神聖な場所とされていた。かつての王族やカフナ（司祭や医者または職能に優れた人物）に守られてきたクアロアの伝説や神話に触れながら、実際にそれを見られるツアーを紹介する。

火の女神ペレとの愛憎関係にあったカマプアア

カマプアア（Kamapua'a）は、ハワイ神話に登場するオアフ島で生まれた半神半人の男神。名前の由来はハワイ語で「豚の子供」を意味する。女神ヒナの息子とする説もある。普段は美男子であるが、本来は獰猛な豚の神であり、その姿に変えることもある。彼の背中には剛毛が生えており、美男子の姿になった時はこれをマントで隠すとされる。彼はまた海の神でもあり、ハワイの州魚であるフムフムヌクヌクアプアアの化身ともされる。オアフ島、カウアイ島などでは勇敢に戦って王家の争いを制する戦士でもあった。また、ハワイ王国の王家に代々伝えられてきた創世神話「クムリポ（Kumulipo）」の第5歌“夜を掘る者”に登場するブタがカマプアアその人であるという説もある。（ウィキペディア参照）クアロアランチ・ハワイの歴史資料館（無料）には、カマプアアの木彫りの像が展示されている。この像はカマプアアが半身豚に化けた時のもの。

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深い山の中に洞窟が点在している

ペレから隠れるために山に穴を掘った洞窟ホロアペエ

クアロアの敷地を縦断するコオラウ山脈についても沢山の伝説が語り継がれている。山脈に深々と刻まれた皺（しわ）のような溝（実際には渓谷）は、古代ハワイアンが、山奥で探し当てた大きな木を使いカヌーを作り、海に向かって引きずり降ろした際についた跡といわれ、山の至る所にはイノシシの化身で半神のカマプアアが掘ったとされる洞窟も数多く残されている。

その洞窟のひとつは、ペレから追われた際に、カマプアアが身を隠したといわれておりホロアペエ（ハワイ語で隠れる、走るの意味）と呼ばれている。

ワイルドな山道を駆け上がる特別仕様車両に乗って、クアロアのジャングルや谷を巡り、息をのむような素晴らしい景色や大自然を満喫する「ジャングルエクスペディション」に参加すると、カマプアアが掘ったといわれる洞窟を見つけることができるかもしれない。

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ポリネシア圏に広がるメネフネの伝説

メネフネが築いた古代養殖池のモリイ・フィッシュポンド

約800年の歴史を持つモリイ・フィッシュポンドは、南太平洋に住む諸部族の中で唯一魚の養殖を行ったとされる古代ハワイアンの人々の証となるもので、現存する唯一のもの。そのため、米国国家歴史登録財にも登録されている。

モリイ・フィッシュポンドは、その昔、森に住むメネフネ（小人の妖精）が山から石を運び、一夜でこの池を造ったと言う伝説が伝えられている。メネフネとはカウアイ島の森に住んでいたといわれる小人族のことで、身長は普通の人間の半分位だが、筋骨隆々とした肉体を持ち、昼間眠って夜働く習慣を持っていたとされる。性格はとても温厚で恥ずかしがり屋のため、滅多なことでは人間にその姿を見せることはなかったと言われている。民族学的には、メネフネは６世紀頃にカウアイ島に移住してきたハワイ先住民ではないかと言われている。また、モリイ・フィッシュポンドと同じく、メネフネによって築かれたと伝わるアプア・フィッシュポンドもある。モリイ・フィッシュポンドは、オーシャンボヤージに参加、またはシークレットアイランドに渡る際にみることができるが、その仕組みなどを知るにはトロピカルガーデン＆フィシュポンドツアーに参加するのが一番！

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ハワイ固有種のアラエ・ウラを守ろう！

ハワイ固有種の鳥アラエ・ウラの伝説

アラエ・ウラは、サイズは大きいもので全長約30センチ。羽毛全体が黒っぽい濃い灰色で、尾と身体の側面に白い縞があり、額と口ばしの根元は鮮やかな赤色で、口ばしの先端は黄色が特徴。行動は用心深く、軟体動物や水生植物を好んで食べる。アラエ・ウラの「アラエ」はバンの総称で、「ウラ」はハワイ語で赤を意味する。

アラエ・ウラは、北アメリカやユーラシア大陸でみられるバン（鳥類）のハワイ固有種。淡水の湖沼、湿地、貯水池、養殖池などに生息している。昔はマウイ島、モロカイ島、ハワイ島にも生息していたが、現在ではカウアイ島とオアフ島のみに生息する水鳥。絶滅の危機に瀕しているが、生態が未だ謎に包まれているため生息数はわかっていない。そのためクアロアランチ・ハワイは、アラエ・ウラの生活環境を保護している。

ハワイの伝説では、アラエ・ウラが神々の火を古代ハワイアンに与えた鳥とされている。「神々の火を盗む話」の中で、マウイ島に住んでいたアラエ・ウラは、人々が火の存在を知らないことを気の毒に思い、神々が住む聖地に飛んで行き、燃える枝を盗んでマウイ島に持って帰った。その時に彼の白い額は火に焼けて真っ赤になってしまったと言われている。

アラエ・ウラは、「映画ロケ地ツアー」でクアロアの敷地を巡る際の養殖池で見ることができる。

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昔から、そしてこれからもクアロアのシンボル的存在のチャイナマンズ・ハット

クアロアの沖合いに浮かぶシンボル的な小島モコリイ

クアロアランチ・ハワイの沖合いに浮かぶ三角帽子のような島がモコリイ（ハワイ語で小さい島を意味）。1800年代にさとうきび労働者としてハワイに渡ってきた中国人が被っている帽子に似ていることから「チャイナマンズ・ハット」と呼ばれるようになった。

ハワイの神話では、コオラウ山脈にはモオという巨大なトカゲの化け物が住んでおり、旅人の命を脅かしていた。そこを通りかかった女神ヒイアカがモオを退治し、その尻尾を海に放り投げ、長い年月を経て島になったのがチャイナマンズ・ハットと云われている。クアロア山とチャイナマンズ・ハットは、映画ロケ地ツアーで見ることができる。また、オーシャンボヤージでは、海側からクアロア山とチャイナマンズ・ハットの両方の全貌が臨める。

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古代ハワイアンの奥深い伝説　クムリポをイメージしたイラスト

古代ハワイアンの王族が最後に眠る場所ポフカイナ

クアロアランチ・ハワイの渓谷、山々のどこかに「ポフカイナ（Pohu kaʻāina）」と呼ばれる洞窟が点在する。ポフカイナはハワイ語で静かな土地を意味する。この洞窟は古代ハワイアンにとって神聖とされる場所に造られ、ハワイの王族が最後に眠る場所として、またオアフ島の様々な場所と繋がっているという伝説も残されている。実際に、ホノルルにあるイオラニ宮殿の敷地内東側にもポフカイナがあり、ハワイの王族の骨を収める場所であったとされている。ポフカイナは、映画ロケ地ツアーの中で洞窟があるとされる場所を俯瞰で見ることができる。

クアロアランチ・ハワイは、カアアヴァ、クアロア、ハキプウの3つの土地区画の概念「アフプアア」から成る。その区画は、山の頂きから海まで続く土地を放射線状に区分けしていた。ハワイ語で「アフ」は積み重ねる、台、祭壇という意味で、「プアア」は豚を意味する。かつてアフプアアの境界を示す印として、石積みの上に豚の像が置かれており、豚そのものが供えられていたという話もある。クアロアランチ・ハワイには、このことをイメージして造ったアフプアアの像がある。

ハワイには、石を積み重ねたイラストを描いたアフプアアが、道路沿いに境界を示す看板として存在する。現在においても古代ハワイアンの息吹が残されているものがとても多い。

境界を示すということでは、クアロアには天国と地獄の分かれ目があるとも言われているが、古代ハワイアンにはもともと地獄という概念がない。しかし、魂が来世に向かって飛び立つ場所があり、その場所がクアロアとカアアヴァの境目にあるポイントと云われている。

先にもお伝えしたハワイ王国の王家に代々伝えられてきた創世神話「クムリポ（Kumulipo）」によると、この世界が始まった時、この世は「ポー（PÔ）」（ハワイ語で夜を意味する）であり、やがて「アオ（ao）」（ハワイ語で昼間）が現れたと云われている。

クムリポとは「起源」を意味するハワイ語で、18世紀の初頭にロノイカマカヒキ王子（カメハメハ大王の祖父の代に相当）の誕生を祝って編纂されたとされる。日本における古事記にも相当する壮大な叙事詩で、宇宙の起源から歴代の王の業績に至るまでが16パート2102行にわたる散文で語り継がれている。 文字を持たなかったハワイでは全て口承によって秘密裡に伝えられてきたが、ハワイ王国第7代カラカウア王が崩御前年の1889年に公表し、妹のリリウオカラニ女王が退位後の1897年に英訳することにより世界的に有名となった。（ウィキペディア参照）

クアロアランチ・ハワイ（Kualoa Ranch Hawaii）
住　所：　49-560 Kamehameha Highway, Kaneohe, Hawaii 96744
営　業：　午前7時30分〜午後6時
休　日：　元旦1月1日、クリスマス12月25日
電　話：　808-237-8515
公式サイト：　http://www.kualoa.jp