旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2017年6月26日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

ニュージーランド航空のエコノミー「スカイカウチ」は機内に出来た居住空間

客室乗務員全員 笑顔でサービスにあたっていましたzoom
客室乗務員全員 笑顔でサービスにあたっていました

エコノミークラスで快適に過ごすには工夫が必要です。それぞれのアイデアで、空気枕を用意したり、音を遮断するヘッドフォンを持ち込んだり。最近では足をハンモックのように持ち上げるものまで出て来ました。

機内シートの機能についてはどんどん進化していますが、多くは上級クラスでのこと。その中で、ニュージーランド航空はエコノミークラスにも、ひとつの答えを出してくれました。エコノミー「スカイカウチ」です。

機内での新しいプロダクトを経験できる機会にワクワクしながら搭乗です。
オークランドから成田に戻るNZ99便の機内に入ると、指定の座席は3-3-3配列の中の窓側の3席。一見、他のエコノミークラスシートと変わりませんが、前席足元にある大きなマットレスの入ったビニール袋が快適な空旅を約束してくれそうな予感がしました。
座席ポケットには、安全のしおりとともに「スカイカウチ」専用のシートベルト着用案内があります。装備されたシートベルトに別のベルトを繋げて使うというイメージです。

快適な寝具が就寝を助けますzoom
快適な寝具が就寝を助けます

離着陸時は通常通りに座り、シートベルトサインが消えると、いつでもカウチにセットしていいようです。
客室乗務員さんが「スカイカウチ」の使い方の説明にきてくれました。
肘掛けのボタンでレッグレストを持ち上げるのですが、この部分がシートと水平になります。3席分この動作を行い、肘掛を持ち上げるとカウチのできあがり。とても簡単です。

マットレスを敷き、大きめの枕二つを窓側に置くと広い空間が広がります。
機内であぐらをかける状態でいること自体が新鮮で、色々な姿勢を試してみます。窓を背にして足を伸ばせば、ソファでくつろいでいる時のようなリラックス感が味わえます。この状態で窓の外を眺めると、今までとは違った角度が新鮮です。二人で向かい合って座っても良く、かなり多くの姿勢が取れることで、疲れを分散できて非常に快適です。

就寝時は、大人二人では少々狭くはなりますが、シートのつなぎ目の段差がありませんでしたので、横を向くなりしての少しの工夫で熟睡できました。
身体を動かせる状況に、他のエコノミー席の人達からの羨望のまなざしが集まります。

身体を自由に動かせる空間ができましたzoom
身体を自由に動かせる空間ができました

このカウチの状態のままで食事を摂ることもできます。一食目のサービスは朝食で、鮭かソーセージ添えのオムレツです。これにヨーグルト、フルーツとパンがセットされています。
エコノミークラスですが、ワインは白赤数種類のチョイスがあり、ボトルでサービスしていました。
フライトの途中では、ニュージーランドで有名なカピティのバニラアイスクリームが配られました。

到着前には、夕食となります。和食は牛肉で洋食は鶏肉のレモンソース添えです。ポテトサラダとケーキが添えられ、ニュージーランド産のエグモントチーズもあり、なかなかのボリュームです。

エコノミーでもワインは白赤数種類のチョイスがありますzoom
エコノミーでもワインは白赤数種類のチョイスがあります

「スカイカウチ」を利用してみての感想を二組の方に伺ってみました。
一組目は、お母さんとお子さんのお二人での利用。お子さんは、お母さんのそばで自由に歩いたり、立ち上がって窓の外を見たりとても楽しそうにしていました。子供はよく動くので、機内でこれだけのスペースを使えるのがいいようです。今回、初めての利用ですっかり気に入ったとのことでした。

もう一組は、ご主人がニュージーランド人、奥様が日本人で小さなお子様のいるご家族。日本に在住で、ご主人の田舎へ里帰りの利用です。
ご夫婦二人の時はビジネスクラスを利用していましたが、お子様ができて年に二、三回の旅行は必ず「スカイカウチ」にしているという愛用者。3人で二列を使うのがいいそうです。ご主人が後列で通路側に座り、横にお子さんが眠ります。奥様は前の席にてお一人でカウチを満喫されています。
「スカイカウチ」が空いていなければ、日程を変更するとまで言いきるファンで、その魅力を良く理解されている様子でした。

小さな子供も快適に過ごせる空間ができていますzoom
小さな子供も快適に過ごせる空間ができています

足を真っ直ぐ伸ばして機内エンターテインメントが楽しめる環境は、何物にも代え難い経験です。自宅のリビングでくつろいでテレビを見ているような楽な姿勢で、去年11月公開の「疾風ロンド」を最後までゆっくり楽しむことができました。

インフライトサービスマネージャーの高田さんと話ができました。
去年の旅行の時にも搭乗されていて、約1年ぶりの機上の再会となりました。前回はご自身がお子さんとの旅行で「スカイカウチ」を利用してみて、とても快適で本当にお勧めだと話していました。
今回、実際に利用してみて快適さを実感したことを話すと、とても喜んでくれて話が弾みました。

こんな会話からニュージーランド航空のファンが増えていくのだと感心しきり。

フレンドリーな接客が嬉しいzoom
フレンドリーな接客が嬉しい

「スカイカウチ」を利用してみて、思った以上の快適さに全く新しいクラスを経験しているような感覚です。
素晴らしいプロダクトと心地いい距離感のサービスで成田空港からの帰宅時も疲れを感じることがありませんでした。

この7月からは、羽田空港からもオークランドへの直行便が開設され、益々便利になるニュージーランド航空に注目です。


ニュージーランド航空HP ⇒ http://www.airnewzealand.jp/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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