旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2017年6月11日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

マウントクックに向かって爽快な絶景トレッキング

フッカーリバーの流れに沿って歩きますzoom
フッカーリバーの流れに沿って歩きます

ニュージーランド南島でクライストチャーチからクイーンズタウンを結ぶ観光のゴールデンルート。このコースの途中に寄り道してでもやって欲しいアクティビティがあります。アオラキ・マウントクックのトレッキング。テカポ湖とプカキ湖の北に広がるサザンアルプスの一角にあります。マオリ語でアオラキは雲を突き抜ける山マウントクックを意味し、国が誇る最高峰です。
富士山とほぼ同じ高さ、3754mのマウントクックを中心に全長65kmの国立公園が広がります。

現地で春から秋の季節となる9月から5月はトレッキングのベストシーズン。
概ね平坦から急坂まで、時間と体力によって選べるコースが合計10も設けられています。

フッカーヴァレートラック
始点となるホワイトホースヒルキャンプ場から往復3時間で行ける「フッカーヴァレートラック」を歩いてみました。3つの吊り橋を越えてフッカー氷河湖を目指す行程。往路は正面にマウントクックに向かう素晴らしい景観です。

スタートはあっけないくらい看板ひとつ。
世界的にも有名なトレッキングコースは、視界に誰もおらず静かに始まります。

静かな中でトレッキングのスタートを迎えますzoom
静かな中でトレッキングのスタートを迎えます

ほどなく現れるのはミューラー氷河湖。見晴し台も設置されています。
山に囲まれた静かな湖は、引き込まれそうな魅力が有ります。

吊り橋は定員20名と表記があります。
夏のシーズンだと常にその人数になりそうだけど大丈夫だろうかとあらぬ心配をしてしまいます。揺れがありスリルを感じながら前に進みます。

アルプスの山々に囲まれたコース。フッカーヴァレーから流れ出るフッカーリバーも眺めて歩きます。

吊り橋を渡るのも魅力zoom
吊り橋を渡るのも魅力

ミューラー氷河湖が終るあたりに第二の吊り橋が見えて来ます。
このあたりで行程の約半分。このあたりからはボードウォークも現れて、軽快に足が進みます。この道がマウントクックに続くと錯覚させる光景です。

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整備されたコース マウントクックに続く道

第三の吊り橋を越えると、最後に現れるのはフッカー氷河湖見晴台です。
ここでは多くの人が帰り道への英気を養います。

氷河湖畔に下りて行くことも可能。ここまでの行程が平坦なため、気分を変えて高低差を経験するのもいいでしょう。湖面に浮かぶ氷山の様子に自然の力を感じます。湖と山の見事なまでの融合にしばし言葉を失います。

コースのゴールとなるフッカー氷河湖とマウントクックを見るzoom
コースのゴールとなるフッカー氷河湖とマウントクックを見る

グレンコーウォーク
体力と時間の許す人は、もう一つコースを歩いてみるのもお勧めです。
二か所目は30分で往復出来る短いコースを選びました。こちらは高低差があります。ハーミテージホテル裏からスタートする「グレンコーウォーク」

地図は持っていますが、良く見ていないと標識を見落とします。
山肌に給水タンクがありますので目印になります。

トレッキングというよりは、山登りの道。険しい道を進んでいきます。
トタラの木が生い茂る森を進むので、陽が陰って見えます。
こんな所で、見晴し台はあるのか・・・息を切らしながら進んだその後に答えはあります。

山肌に木製のベンチがポツンとありました。
その場所に座ると、ハーミテージホテルの屋根が下に。ビレッジ全体が見え、マウントクックを望みます。

グレンコーウォークの終点 ベンチからマウントクックが見えますzoom
グレンコーウォークの終点 ベンチからマウントクックが見えます

時間の経過で夕焼けが山肌に掛かる時間でした。アルプスの山々の山頂付近の雪がオレンジ色の光を反射して輝きます。ゆっくり滞在し、風景を堪能する中で急坂を登った疲れは消えていきます。

個性の違う二つのコースを歩けた爽やかさで、最後の山道は軽快に下ることができました。

ニュージーランド政府観光局公式ウェブサイト ⇒ http://www.newzealand.com/jp/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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