オークランドから乗継で今回の旅の始点となる南島のクイーンズタウンに向かいました。かつてニュージーランドはイギリス自治領でしたので、英国にちなむ名前も多く見受けられます。ここクイーンズタウンは、ヴィクトリア女王に相応しい場所であることから地名となった由来を持ちます。この話を聞くと、どんな場所か見たくなりますよね。
機内に入ると、「Kia Ora」マオリ語でこんにちはと声を掛けてくれます。オークランドまでのニュージーランド航空の機内で何度か耳にしたので、もうすっかりおなじみの挨拶です。
エアバスA320の後方で左の窓側に席を取りました。
オークランド空港を地上滑走する際に、つい先日ニュージーランド航空の運航ラインから外れたボーイング767-300ERが2機駐機しているのが見えました。
スマートフォンにニュージーランドの地図をダウンロードしていきました。
飛行中にそれを見ながら外を眺めると、飛行経路がわかって楽しめます。
オークランドから南下すると、北島の西側にたんこぶのように突き出た半島があり、富士山を思わせる形の「マウント・エグモント」が見えます。
2人の客室乗務員が機内にカートを引いて出てきます。
1時間半に満たない飛行時間でも飲み物とスナックのサービスがあります。
「チップスorクッキー」と声掛けられて商品を見ると、ニュージーランドの「メキシカーノ コーン チップス」もしくは「クッキータイム」が配られました。
クッキータイムは原宿にも進出して話題となったニュージーランド土産の定番のオーガニッククッキーです。同時にソフトドリンクのサービスもありました。
スナックサービスの後はキャンディーも配られるのですが、その様子が普段と違います。前方から客室乗務員がバスケットを持ってゆっくり歩いてくるのが見えますが、少しの笑いと共にざわついています。
その客室乗務員の前を4~5歳の女の子がキャンディーを載せたトレーを持って歩き、一緒にサーブしているのです。その愛らしい様子に搭乗客は顔をほころばせていました。
そのまま南下すると西海岸。マウント・クックが最高峰のサザンアルプスは雪を被っています。その先にはミルキーブルーのテカポ湖やプカキ湖も姿を現します。
ワナカ湖が見えるあたりから、海岸線を離れて半島中央部に位置するクイーンズタウンに向かいます。
マウント・アスパイアリング国立公園の山岳地帯を飛行するので、まるで遊覧飛行のようです。着陸に備えて高度を落として行き、山頂が上に見える迫力。雪に覆われ、山肌との綺麗なコントラストを見せています。
ほどなく、自機の影も山肌に写って見えました。トレッキングコースや羊も視界に入ります。
頂上に雪が積もる山々の間を飛行機が縫うように飛び、ワカティプ湖が見えてきたらいよいよ着陸です。
CNNニュースにおいて「Private Fly社」の調査による2015年の世界の空港着陸景観ベスト10でクイーンズタウン空港が首位に輝く報道がありました。150もの空港がノミネートされている中から選ばれ、その素晴らしさは折り紙付き。この4月に告知されたばかりの2017年調査でもベスト5に選ばれるなど、世界が認めています。
着陸後の地上滑走中に搭乗客の1人が誕生日であることがアナウンスされ、拍手が起こりました。17歳の高校生には想い出に残るフライトになったことでしょう。
ここクイーンズタウンにはボーディングブリッジはありません。
機体の後方ドアも開きますので、迷わずこちらから出ます。振り返ると、シダの葉をまとった尾翼がすぐそばにあります。
地上に降り立っても周囲の山々が近く、日本で見る空港の様子とは全く違って見えました。錦秋を迎える空気が引き締まっています。
短距離国内路線でも、実に楽しいフライトが経験できました。
ニュージーランド航空HP ⇒ http://www.airnewzealand.jp/