旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2017年4月17日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

フライトトレーニングを各国より受託するターキッシュエアライン

イスタンブール アタチュルク国際空港で翼を休めるターキッシュエアラインの機体zoom
イスタンブール アタチュルク国際空港で翼を休めるターキッシュエアラインの機体

     
ターキッシュエアラインの本社はイスタンブール アタチュルク国際空港に隣接しています。
その一角にある乗務員訓練所がターキッシュ フライト トレーニングセンターです。
今回はこちらを訪れる機会がありましたので、普段はなかなか見ることのできない内部を少しご紹介します。

5,800㎡あるこの場所をターキッシュ アビエーション アカデミーと称し、社内の重要な部門と位置づけています。
世界的な航空組織、ICAOやIATAに準拠した内容のカリキュラムが組まれており、運航乗務員だけでなく、地上職員も含めた20以上のコースを設定しています。

一度に800人のトレーニングが可能であり、他のエアラインにもそのカリキュラムを販売するという強みを持ち、年間3万人の訓練生が学べる30年の歴史を持つ由緒ある訓練所です。

訓練所入口付近ですzoom
訓練所入口付近です

    
ここでは所属する4,300人のパイロットと10,000人を超す客室乗務員や、その他の地上勤務要員の訓練が行われています。

   

客室乗務員訓練所        

まずは客室乗務員訓練所から。
廊下には、歴史を振り返る年表が写真やイラストと共に紹介されています。
一角には自社のアーカイブとなるユニフォームやグッズが並び、さながらミュージアムのようです。

航空博物館の様子の訓練所内zoom
航空博物館の様子の訓練所内

世界の多くの客室乗務員訓練所において、機内のモックアップと不時着水の訓練にプールが用意されています。
ターキッシュも同じ構造ですが、多くの機種の訓練が出来るように胴体径の違うモックアップが繋がって設置されています。
非常に変わった形ですが、恰好よりも実用に向く形を追求してこうなったようです。

不時着水訓練にも対応していますzoom
不時着水訓練にも対応しています

同じ部屋の中には、緊急時の動きを場面に分けて解説したブースが設置されています。
緊急時に使う小道具が用意されているということは、有事の際にすぐに動けるということ。
当日は、酸素、危険品、火災等のブースで、実際に学んでいる乗務員も目にしました。

自習が可能な訓練ブースが並びますzoom
自習が可能な訓練ブースが並びます

     

パイロット訓練所      

客室乗務員訓練所はエアラインの個性が出ますが、パイロット訓練所はそこに独自性の入り込む余地が少なく、シミュレーターを設置しているだけでほぼ世界共通です。

ターキッシュエアラインのシミュレーターは、ワイドボディ主力機のボーイング777‐300ERのものが2機、エアバスA330のものが2機。ナローボディー機はボーイング737-800が3機とエアバスA320シリーズ共用のものが3機となっています。
内訳は、カナダCAE社が6台。英国のL3-Link社のものが4台です。

長距離国際線の主力機 ボーイング777-300ERのフライト シミュレーターzoom
長距離国際線の主力機 ボーイング777-300ERのフライト シミュレーター

世界の大手がボーイングとエアバス機を発注しているように、同社でもほぼ半々の比率でバランス良く導入しています。シミュレーターも同じ比率での設置。

自社のみならず、他社の訓練も受託するという事はその水準の高さの証明です。
ここから多くの乗務員が巣立っていきます。

ターキッシュエアラインズ HPはこちら
https://p.turkishairlines.com/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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