旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2017年2月5日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

パスポートのいらないスペイン!? 『ガルロチ』で堪能するフラメンコ&本格料理

日本国内で唯一、本物のフラメンコショーを毎日、観ることができるレストラン。zoom
日本国内で唯一、本物のフラメンコショーを毎日、観ることができるレストラン。
世界中でフラメンコ教室が最も多いのは、日本だって知っていますか? これ、フラメンコ業界ではよく知られていることなのだそう。そんなスペインとフラメンコを愛する人たちの間で、「日本にいながらにして本場の雰囲気と料理を味わえる」と評判になっているのが新宿の『TABLAO FLAMENCO GARLOCHI(タブラオ フラメンコ ガルロチ)』です。

『タブラオ』とはフラメンコショーが行われるレストランやバーのこと。『板』を意味するスペイン語から生まれ、板張りのステージで繰り広げられるショーを観ながら食事やお酒を楽しむのは、スペインを訪れたらぜひとも体験してみたいことのひとつ。そのスタイルを再現したこの店では、本国から第一線で活躍するフラメンコアーティストを招へいし毎夜、情熱的&刺激的なステージが繰り広げられています。
ステージの熱気とステップの振動が直に伝わってくる最前列のスペシャルシート(チャージは別途800円)。zoom
ステージの熱気とステップの振動が直に伝わってくる最前列のスペシャルシート(チャージは別途800円)。
店があるのは、新宿・伊勢丹会館の6階。フラメンコに興味がある人ならなら、ピンとくるかもしれません。ここは49年前、日本初の本格的なフラメンコ・レストランとしてオープンし、"エルフラ"のニックネームで愛された『エルフラメンコ』があった場所。昨年10月にオーナーが変わりリニューアルオープンしたのです。

ショーの内容もメニューも一新し、ぐんとグレードアップした店でぜひとも体験してみたいのが、ステージを取り囲むようにある『スペシャルシート』での鑑賞。目の前のステージからステップの振動と音楽が地鳴りのように伝わってきて身体中に響く迫力はまさに感動もの! 


"ガルロチ風"スペシャル料理は、スペインを渡り歩いてきたシェフ、山田チカラ氏の監修。zoom
"ガルロチ風"スペシャル料理は、スペインを渡り歩いてきたシェフ、山田チカラ氏の監修。
ショーとともに楽しみたい食事は、"世界一予約が取れないレストラン"といわれたカタルーニャの名店『エル・ブリ』出身、山田チカラ氏が監修する本場スペイン料理。海老のアヒージョ、スパニッシュオムレツ、パエリアなどのアラカルト料理のほか、2種類のコース料理から選べます。
私が訪れたときには、カップルやグループのお客さんに交じって、小皿のタパス料理とお酒を楽しむ、おひとりの女性客も何人か見かけました。
ゆったりくつろげるガルロチ・シート。zoom
ゆったりくつろげるガルロチ・シート。
ゆったりとしたシートでショーと食事を楽しみたい人には、落ち着いた雰囲気の『ガルロチ・シート』がおすすめ。ここならデートや接待にも使えそう。今後、山田チカラ氏の名前を冠したスペシャルコースが登場する予定もあるとのことなので、こちらも楽しみです。
コース料理は『ビジャマルコース』(3240円)と『ロペ・デ・ベガコース』(5400円)の2種類。zoom
コース料理は『ビジャマルコース』(3240円)と『ロペ・デ・ベガコース』(5400円)の2種類。
約3カ月ごとに顔ぶれが変わるアーティストは、マドリード、バルセロナ、アンダルシアなどから招へいされ、スペイン本国で引っ張りだこの人気を誇るトップアーティストであることはもちろん、ラスベガスなどエンターテインメントの本場で活躍するダンサーも。しかもアーティストによってジプシー系、舞踏系など、スタイルが異なるフラメンコを鑑賞できることも大きな特徴です。
本場スペインでも第一線で活躍するアーティストが登場。zoom
本場スペインでも第一線で活躍するアーティストが登場。
ショータイムが始まると、床を踏み鳴らすステップの振動がステージから床へ、さらに会場全体を包みます。独得の手拍子とカンテ(歌)、哀愁を帯びたギターの旋律に引き込まれ、いつしか全身が熱くなってきているのを感じました。周りを見渡すと、感激のあまり涙を流している女性の姿もありました。

ショータイムは、1stステージと2ndステージの2部構成。入れ替え制ではないので、一度の来店で2ステージ楽しむことも可能。不定期でスペシャルショーが開催されることもあり、何度足を運んでも新たな感動を味わえます。
日本にいながらにしてスペインに旅した気分を堪能できる『ガルロチ』。タブラオの本場スペインでもつねに第一線で活躍するフラメンコ・ダンサーが顔をそろえ、しかもスタイルが異なるショーを同時に観ることができる店は多くないとのこと。メニューのクオリティ―も合わせると、本国以上にレベルが高い店といえるかもしれません。



●TABLAO FLAMENCO GARLOCHI(タブラオ フラメンコ ガルロチ)
新宿区新宿3-15-17伊勢丹会館6F
TEL 03-5361-6125
ランチ 月~日11:00~15:00(L.O.14:30)
ディナー 18:00~22:30(L.O.21:15)日・祝は~22:00(L.O.20:45)
※ショーチャージ一人3800円。土・日・祝のランチは貸し切りの場合あり、水曜はレストラン営業のみでショーはお休み。
www.garlochi.net
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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