旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2016年7月2日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

充実の旅に相応しい場所 キャセイパシフィック航空の香港国際空港ラウンジ

ザ・ロング・バーはキャセイパシフィック航空ラウンジの象徴的な場所zoom
ザ・ロング・バーはキャセイパシフィック航空ラウンジの象徴的な場所

CX548便は香港を朝の08:45に出発します。
当日のビジネスクラスの搭乗券には、ラウンジの案内図が添付されていました。キャセイパシフィック航空は、航空サービスの評価機関であるSKYTRAX社のランキングで常に上位にランクインしています。
そのキャセイパシフィック航空の本拠地である香港国際空港のラウンジですので特別感があります。エアポートエクスプレスでも充分間に合う時間でしたが、ホテルの朝食をキャンセルし、早目にタクシーで空港に駆けつけてでもゆっくり利用してみたくなりました。

キャセイパシフィック航空は、ターミナル1に実に5つのラウンジを展開しています。
今回は、その中で「ザ・ウィング」ビジネスクラスラウンジと、「ザ・ピア」ファーストクラスラウンジを利用してみました。

「ザ・ウィング」ビジネスクラスラウンジは、出国したばかりの南出発ホール内ゲート1から4の位置にあります。 

出発ゲートの上階に位置しており、吹き抜けの窓からは駐機する航空機の様子がわかる、シンボルとなる場所「ザ・ロング・バー」。
スツールに腰かけて、多くの航空機がどの国に向かって飛んで行くのかを想像するのは非常に楽しい時間です。
朝の爽やかな空気の中、航空機とともに遠くまで見渡せる気持ちのいい場所です。

ザ・ヌードル・バーは自然光の中に竹のある落ち着いた空間zoom
ザ・ヌードル・バーは自然光の中に竹のある落ち着いた空間

「ザ・ヌードル・バー」は、豊富な自然光と竹が美しい吹き抜けの空間になっています。今回の香港での仕事や旅行での出来事を振り返りながら、人気の担担麺や熱々の点心などを朝食として食べるのもよさそうです。
家具の茶系色が多い中での緑色は、心を落ち着かせてくれます。

食後には、「ザ・コーヒー・ロフト」でバリスタの淹れた香り豊かなコーヒーを楽しみながら、焼き立てのスイーツを頂くことも出来ます。

乗客のニーズに応じて独自にデザインされた35脚のキャセイ・ソーラス・チェアーをはじめ、デザイナーによる様々な調度品が配置されていますので、居心地のいい洗練された空間になっています。 
広々とした個室のシャワールームも24室ありましたので、時間に余裕があれば出発前にリフレッシュするのもいいかもしれません。

「ザ・ウィング」ビジネスクラスラウンジを利用できるのは、ファーストおよびビジネスクラス利用客とマルコポーロクラブのシルバー会員以上、ならびにワンワールドのサファイヤ会員以上で、営業時間は朝5時半から最終便出発までになります。

ザ・ピア ファーストクラスラウンジの高級感あふれる空間 zoom
ザ・ピア ファーストクラスラウンジの高級感あふれる空間 

昨年リニューアルオープンした「ザ・ピア」のファーストクラスラウンジは、今回のフライトの搭乗口からすぐの北西コンコース64番ゲート付近にあります。

専用のエレベーターで搭乗ゲートのフロアから一階下に降りると、そこは総床面積2061㎡、231席の別世界。

キャセイパシフィック航空のシグネチャーフレグランスの漂うレセプションを抜けると、高級ホテルのロビーのような気品溢れるスペースが広がっています。

ザ・バーとザ・パントリーzoom
ザ・バーとザ・パントリー

喉を潤しにまず向かったのは、「ザ・バー」です。
豊富な種類のワインやカクテルが楽しめるフルサービスのバーです。
「ザ・ピア」限定の優雅なカクテルもあります。
バーの手前には「ザ・パントリー」があり、軽食やドリンク類が用意されています。

ダイニングは、革張りのソファー、ぬくもりが感じられるような木のテーブル、黒い壁で、全体的に高級感があります。
ソファーの配置は非常にゆったりとしていて、照明も落とされており、寛ぎに対しての徹底的なこだわりが感じられます。
そして何よりも、大きな窓から航空機を眺めながらゆっくりと過ごせる最高に気持ちのいい空間になっています。

少し離れた場所には、静かに読書することができる「ザ・ライブラリー」や「ザ・ビューロー」があり、ビジネススペースもしっかりと確保されていました。6台のimacを備えた個別のワークスペースは、仕事がはかどる落ち着いた照明の空間になっていました。

ダイニングで提供される朝食zoom
ダイニングで提供される朝食

機内食も旅の楽しみのひとつですので、ラウンジでの食事とどちらにするか迷うところですが、今回はファーストクラスラウンジですので、どうしても食べてしまいます。

100人まで収容できるという広いメインダイニングは、ブッフェではなく、フルオーダー制です。できたてのエッグベネディクトやワッフルなどの朝食を頂きました。他の時間帯であれば、前菜からメイン、デザートまで注文することも可能です。味もさることながら、席への案内やオーダーなども含め、スタッフのホスピタリティに関してもさすがはファーストクラスラウンジのダイニングだと実感しました。

これだけではありません。
駐機場サイドにある「ザ・リトリート」では、デイ・スイートと呼ばれる個室があり、横になって安らぎのひと時を過ごせるようにと仮眠用ベッドが用意されています。厚いカーテンで仕切られた中に入ってみると、目の前に航空機が見えますので、仮眠どころか嬉しくて目が冴えてしまいましたが(笑)。

また爽やかに目的地に到着してもらいたいとの思いからリニューアルオープン時に導入されたというフットマッサージの無料サービスや、シャワーを浴びることのできる施設もあります。

優雅な気分で過ごす出発前の時間zoom
優雅な気分で過ごす出発前の時間

出発時間が迫ってきました。優先搭乗で早めに機内に入れるのですが、このラウンジでは出発ギリギリまでゆったりしてしまうくらい非常に居心地のいい贅沢な空間でした。

「ザ・ピア」ファーストクラスラウンジを利用できるのは、ファーストクラスの利用客と、マルコポーロクラブのダイヤモンド会員、ワンワールドのエメラルド会員で、営業時間は午前5時半から最終便の出発までになります。

短距離便の香港線だからこそ、いつもより気軽に利用できる贅沢な空間。

世界へ旅立つ人は様々ですが、どんな目的にせよその充実の旅のスタートに相応しい場所のように思いました。

キャセイパシフィック航空

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

ブログ「あびあんうぃんぐ」:http://blog.livedoor.jp/avianwing
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