旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2016年5月7日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

一日いても飽きない観光スポット! フランクフルト国際空港

フランクフルト空港に駐機するルフトハンザ航空の基幹機種 エアバスA380zoom
フランクフルト空港に駐機するルフトハンザ航空の基幹機種 エアバスA380

空港を観光地として楽しむなんて素敵だと思いませんか。

利用者数で世界第12位、欧州ではロンドン・ヒースロー空港、パリ・シャルルドゴール空港に次いで多いのがフランクフルト・アム・マイン国際空港です。
2015年の年間利用者数は6,103万人で、世界屈指の大空港です。

その1番の特徴は、市街地への近さ。
ターミナル1に隣接した建物が、DBドイツ鉄道の駅になります。
乗ってしまえば、3駅10分のアクセスは素晴らしい!
日曜日には殆どの店舗が閉まってしまうドイツでは、市内から空港に買い物に出掛けて来る市民が多いのも納得です。80もの飲食店と200以上もの店舗が展開しており、ショッピングプラザと書かれていてさながらデパートのようです。

テラスでは、季節の移ろいを感じながら飛行機のスポッティングできますzoom
テラスでは、季節の移ろいを感じながら飛行機のスポッティングできます

2番目の特徴は、空港送迎デッキの存在です。
ターミナル2のこの場所は、ビジターズテラスと呼ばれています。
巨大な遊具を備えることで有名なマクドナルドの横に斬新なデザインの受付があり、入場料を払い、保安検査を受けた後、デッキに出ます。

現在は改装工事中ですが、2016年夏に完了の予定。
遮る物がなく存分に飛行機ウォチングを楽しめます。

シェラトンホテルの客室から見たターミナルビル 本当に目の前ですzoom
シェラトンホテルの客室から見たターミナルビル 本当に目の前です

第3の特徴は、宿泊地としても考えられるということです。
空港ターミナルに隣接するホテルならシェラトンをお勧めします。
客室数1,000もの大型ホテルで施設も充実しています。
ターミナルビルと連絡橋がありますので、雨の日には特に便利です。

部屋からは、ターミナルビルを隔てて向こうに駐機する機体を眺めることができます。
空港到着後、すぐに荷物から解放されるのは、その後の旅程に余裕が持てますね。

スポッティングの場所から空港と航空機を眺めますzoom
スポッティングの場所から空港と航空機を眺めます

第4の特徴は、飛行機をゆったり眺める場所があること。
本格的に機体をスポッティングするなら、空港からバスでアクセスになる東側のインター・シティホテルへの宿泊がお勧めです。

ホテルからは駐機場が見えますし、徒歩で10分程のエリアでは、二本の滑走路25に着陸する機体を眺めることができます。
南北エプロンを行き交う飛行機は、目の前を通るので迫力があります。
撮影する機体の後方にターミナルビルがあることで、管制塔や空港ビルも写りこみ、フランクフルト空港らしい写真が撮れます。

軍用型C-47機が屋外展示されている様子は、まるで屋外の航空博物館です。
後方はフリーウェイですので、時速200㌔以上で疾走するドイツ車が見えるなど、飛行機が来ない時間も楽しめます。

第5の特徴は、空港でのショッピング施設が多くあること。
旅行グッズの揃うルフトハンザ・ワールドショップの二箇所では、旅行用のカバンを始め、アクセサリーや航空機モデルまで揃っており、楽しめます。
ドイツブランドでカバンのBREE、ジャックウルフスキンやモンブランも揃います。
地下にはスーパーマーケットの「テグート」があり、空港にありながら、市内のスーパーと同程度の価格の店舗ですので、貴重です。

最後に、フランクフルト空港ならではのとっておき情報を6つ目の特徴としてご紹介します。
事前申し込み不要の物を含め、9つものエアポートツアーが行われているのです。

ターミナル1内のツアーデスク 遊び心が満載ですzoom
ターミナル1内のツアーデスク 遊び心が満載です

45分のミニツアーに参加してみました。
ジェットエンジンの輪切りがターミナル1のツアーデスクになっています。横にエコノミークラスの座席が置いてあるのも、ツアー参加者の気分を盛り立ててくれます。

ガイドに引率されて保安検査場を通り、ランプ内に入ります。
連接の大型バスに乗込みツアーがスタート。降車はできないものの、ガラスは磨き上げられており、光の反射状態さえ気にしなければ、迫力ある写真が撮れます。

カタール航空のエアバスA350を至近から見ることができました。
強いカーブの反り上がった美しいウィングレットが目の前に見えます。
カーゴ地区も廻りますので、目が離せません。

ツアーでは、至近距離から航空機を眺めることができますzoom
ツアーでは、至近距離から航空機を眺めることができます

ルフトハンザドイツ航空では航空機2大メーカーの基幹機種であるボーイング747-8とエアバスA380とを所有しており、その両方の姿を見ることができます。

バスの運転手は、エミレーツ航空のエアバスA380が地上滑走している姿を見付けてダッシュで追ってくれるなど、変化があってなかなか楽しめるツアーでした。
地上目線で航空機を見上げる迫力は参加してみないとわかりません。作業車がすぐそばで動いているという環境は、ワクワクするものです。

世界に10箇所のターミナルビルを運営するフラポートという民間企業ならではの経営戦略が垣間見えました。

フランクフルト空港は、都市部にありながらまだ拡張の余地があるというのが凄いところです。南側の貨物地区の近くに、第三ターミナルビルの建設が進んでいます。2022年には稼動を開始するとのことで、この先も益々目が離せない空港です。

フランクフルト空港エアポートガイド(日本語)

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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