旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライター岩佐 史絵
  • 2016年4月5日更新
贅沢☆旅スタイル
Writer:岩佐 史絵

“ふつうに”過ごすNY ぶらりん旅 その2

今にも雨が降り出しそう……zoom
今にも雨が降り出しそう……
 ニューヨークはしゃれおつ! 世界のファッションリーダーであり、トレンドメーカーというゆるぎない地位を確立しているニューヨークでは、どうしてもしゃれおつに過ごさなければならないような気がする。だが旅をする本人がそんなおされ番長ではない場合はどうなるか? ちょっと街をぶらついてみた。

 前回同様、特にあてはないのである。友人とお茶をするため、彼女の仕事が終わるまでの間ちょっと時間をつぶそうかな~、と、やって来たのは五番街。実は余っている時間は1時間程度と、微妙な長さだ。とりあえず、友人の会社があるロックフェラーセンターへ。折悪しく雨が降って来たため、ぶらぶらは地下街へ移行する。ここは地下でビル同士がつながっているため、かなり便利ゆえ地元の人々も多く利用している。新宿とか大手町の地下街のようだが、バナナリパブリックのようなファッション店もあり、ここだけでも十分時間がつぶせるのだ。こじゃれたカフェのほかに、スターバックスや日本にも出店して話題になったブルーボトルコーヒーと、喫茶店のチョイスもいろいろだ。
いやしんぼにはたまらない! The Filling Station http://www.tfsnyc.comzoom
いやしんぼにはたまらない! The Filling Station http://www.tfsnyc.com
……と、お土産屋や小さな食堂に混じって、チェルシーマーケットの人気店「The Filling Station」を発見! 塩やビネガー、オイルなどの専門店で、いろいろなフレーバーが取りそろえられている。すべて味見をしてから購入することが可能で、思わずあれもこれも、と味見。トリュフ塩はお料理にも使えるだろうけれど、これだけでもワインのおつまみになってしまいそうだ。ビネガーも、ワイルドベリーやブラックチェリーといった風味のバルサミコ酢がずらり。料理だけでなくカクテルなどの味の決め手になることは間違いない。2回目以降は購入したジャーを持参すればそこに入れてくれるというシステムで、無駄を出さないエコマインドなお店でもある。東京にもできないかなぁと心底願う、普段使いしたいお店だ。
かなりボリュームのある1ボウルディッシュ。Saigon Shack http://saigonshack.squarespace.com/#aboutzoom
かなりボリュームのある1ボウルディッシュ。Saigon Shack http://saigonshack.squarespace.com/#about
 ハッと気づけば、定番の黒トリュフ塩とライム塩を購入。コーヒー風味の塩も気になったが、どのように使えばいいかわからず断念。と、本気のショッピングをしていた。しかも、なんだか食卓をかなりおしゃれにしてくれそうな品々。さすがニューヨーク。なにもおしゃれを意識していなかったのにもかかわらず、これである。
 このあとは結局、友人とカフェでプロセッコをしこたま飲んだのち、近くのアジアンレストランへ。「おいしいんだよ、このお店」との友人(日本人)のお勧めであったわけだが、実はこれも、ほんのりとしゃれおつチョイスだったようだ。なにしろNYでは和食をはじめアジアンが大人気なのだ。なんの変哲もないベトナム料理やさんなのに、ヤッピー(死語か?笑)風を身にまとった人々でいっぱい。なにをやってもしゃれおつになってしまう、ニューヨークマジックに負けを認めつつ、今日も友としゃべり倒したのであった。

Writer:岩佐 史絵
旅に貴賎なし! 旅をしていないと血中旅度が下がってお腹が痛くなってしまうほどの旅好きが高じてトラベルライターに。ONもOFFも旅一色。妊娠中も子育て中も闘病中も行きたいところには必ずでかける体力自慢。著書『人生のサプリを見つける旅ガイド』(ソニーマガジンズ刊)ほか。
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