サンクトペテルブルクに鎮座する荘厳なる社交場
1875年、現在のロシア、サンクトペテルブルクに産声をあげた「ベルモンド・グランド・ホテル・ヨーロッパ」。大理石やゴールドがふんだんに使われたアールヌーボー調のホテルは、19世紀のヨーロッパで最も大きく豪奢なホテルで、社交界の名士の集まりの場として賑わった。チャイコフスキーが新婚旅行の際の宿としたり、ショスタコーヴィチがプロコフィエフのためにソナタを演奏したり、イギリスのエリザベス2世はこのホテルのレストランがいたくお気に召したなどという逸話ものこる。
現在もカザン大聖堂、ストロガノフ宮殿などの見所の集まるネフスキー大通りに面して建ち、その荘厳な佇まいがサンクトペテルブルクの街で一際存在感を放つ。
客室は全部で265室。機能的かつ優美なスーペリアルームや街並みのパノラマが楽しめるデラックスルーム、最上階のテラスルームに加え、ユニークなのは、ドストエフスキー、ロマノフ、ストラヴィンスキーなどロシアの著名人の名前が付いたスイートルーム。それぞれのテーマに沿ったコンセプトで造りあげられているため、滞在のたびに違う客室を指定するゲストも多いという。5つ星ホテルらしく、部屋のアメニティは充実。全ての部屋では無料でWi-Fiが利用できるほか、好みの枕を選べるサービスも人気だ。
メインダイニングはステンドグラスの内装が優美な「レストランヨーロッパ」。土曜日の夜にはジャズの生演奏が行われ、華やかな雰囲気に包まれる。メザニンカフェでは、ロシア風アフタヌーンティーが人気。キャビア・バーはロシア料理のレストラン。きりっと冷えたウォッカと極上のキャビアを召し上がれ。
朝食のブッフェも評判。ロシアの伝統料理、ビーフストロガノフが提供されるほか、みそ汁、ごはんという日本食も用意。旅のひとときにふと恋しくなる日本料理。思わぬ形のサプライズだ。
また、さすが、ロシアを代表する一流ホテルだけあり、ゲストの要望を満たすサポート体勢は万全だ。コンシェルジュに頼めば、閉館後のエルミタージュ美術館の見学をアレンジしてくれるだろう。ロシアを代表する劇場、マリインスキー劇場のチケット手配もお手の物。ボックス席を用意してくれるどころか、都合があえば、バックステージツアーにも案内してくれるかもしれない。
芸術の宝庫、サンクトペテルブルク。この美しい街の思い出は、「ベルモンド・グランド・ホテル・ヨーロッパ」の滞在でさらに輝かしいものになるだろう。