トラベルコラム

  • 【連載コラム】ちょっとこだわり、少し贅沢
  • 2013年9月10日更新
トラベルソムリエの旅コラム
Travel sommeliere:小野アムスデン道子

屋台と言うにはスゴ過ぎる!ポートランドのフード・カート巡り

真っ赤でかわいいartigianoのフード・カート。横のテントにはテーブル。zoom
真っ赤でかわいいartigianoのフード・カート。横のテントにはテーブル。
 ローカルに根ざしたライフスタイル誌『KINFOLK』日本語版が出て、創刊された街ポートランドのことが何かと話題に上るこの頃。私は、ダンナのホームタウンでもあることから、オレゴン州にあるこの街を年に数度は訪れます。
 緑の多いグリーン・シティ、サイクリストに優しいエコ・シティ、観光で訪れる人にも優しい街。そして度々、記事にしてます”地ビール醸造所(ブルワリー)が世界で一番多いクラフトビールの天国”。本当に毎回、ポートランドを訪れると新しいブルワリーが出来ていて驚かされます。加えて、私が最近、注目しているがユニークなフード・カートの数々です。
手打ちパスタをアルデンテで出してくれます。リストランテ顔負け。zoom
手打ちパスタをアルデンテで出してくれます。リストランテ顔負け。
 フード・カートは平たく言えば屋台なのですが、ポートランドでのフード・カートはひと味違います。国際色豊かな料理を出すカートが競い合うカート村、住宅街近くで本格的な料理を出すカート、独創的な料理で将来は店舗出店を目指すカートとその種類の多いこと。カートといっても移動式ではなく、元は駐車場だったり空き地などの有効利用のため、市もバックアップしている存在なのです。
 まずは、South EastのDivisionストリートにある、イタリアンのフード・カート”artigiano"は、手打ちパスタが名物。このフィットチーネももちもちの食感が最高です。
チャーミングなオーナー・シェフのレイチェルさん。zoom
チャーミングなオーナー・シェフのレイチェルさん。
 こちらがオーナー・シェフのレイチェルさん。祖母はフレンチのシェフ、自身もコルドン・ブルーでの修行を経て、”素晴らしいワインに、ヘーゼルナッツやトリュフはじめ、ローカルでサスティナビリティの高い素材が揃うオレゴンがとても料理の場所としてはよいと思ったの”と、レストランやケータリング、プライベート・シェフとして働いた後に、ここでフード・カートのオーナシェフとして独立したそう。アンティパストからプリモ、セコンドとコースになった本格的なイタリアンが楽しめるフード・カートです。隣にセッティングされたテーブルでも楽しめるし、ご近所のテイクアウトの注文もひっきりなしでした。
ポートランドで今トレンディな通りミシシッピアベニューへ。zoom
ポートランドで今トレンディな通りミシシッピアベニューへ。
 もう一ヶ所、ローカル・デザイナーの雑貨や服の店、オーガニック・フードやサスティナビリティにこだわる店など、ポートランドらしいトレンディさにあふれる N Mississippi アベニューにあるフード・カート・プレイスへ。
 この通りは、ユニークでお洒落なお店が多くて、ショッピングも楽しいところ。グリーンの種の自販機があったりするのが、とてもポートランドっぽい。
ブルーのカートがとても目立っているKOI Fusionzoom
ブルーのカートがとても目立っているKOI Fusion
 ここはメキシカンやハンバーガーはじめ、いろんな種類のフード・カートが集まっていますが、なかでも目を引くこちらのカートは、KOI Fusionというコリアン・メキシカン。コリアンBBQとメキシカンのフージョン料理が人気を呼んで、今や15ヶ所でカートを構えるまでになったそう。
私には初めての味、コリアン・メキシカンzoom
私には初めての味、コリアン・メキシカン
 こちらが、コリアン・タコスとコリアン・バーガー。中身は、プルコギ・ビーフ、チキン、ポーク、カルビ・ショートリブ、そしてスパイシー・トーフ(ちゃんとベジタリアンもあります)から選べます。野菜はいっぱい入ってます。コリアン風味とメキシカン、確かにスパイシー繋がり?本国、韓国にもこのコリアンタコスはあるそうですが、なかなか新鮮な味。
 みんな自分の料理をフード・カートで広めるとやる気まんまん。ちょっとした料理の世界旅行気分も。South Westには、関西人の私のソウル・フードとも言えるお好み焼きのフード・カートも出ているらしく、次回はぜひ行きたいと思っています。まだまだ探訪しがいのあるポートランドのフード・シーンでした。
Travel sommeliere:小野アムスデン道子
ロンリープラネット日本語版編集を経て、ローカルグルメやお酒、非日常の体験などちょっとこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ジャーナリストへ。
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